教育院のポリシー、ミッション

京都大学では、各学部がそれぞれの学士課程について一貫して責任をもつ体制(4年一貫教育)をとるとともに、1年次から4年次まで、専門教育と教養・共通教育を並列して展開するカリキュラムを編成しています。
このうち、国際高等教育院(以下、「教育院」と言う。)は、各学部の学士課程の編成方針に基づき、教養科目及び外国語や専門基礎科目といった各学士課程に共通する科目の企画及び実施を担当します。
教養・共通教育については多様な考え方があると思いますが、本学では、次の二つの役割に注目しています。

一つは、学生が高校教育から大学の専門教育へとスムーズに移行することができるよう手助けする役割です。
外国語や専門基礎科目は、その内容自体が専門教育の土台となるものです。しかし、それだけでなく、学問の意義や楽しさを理解してもらうことも重要な意味を持ちます。大学での教育は、学生が自らの知的欲求に基づいて学問をすることが前提となるからです。学問の意義や楽しさを理解しない者にとって、大学教育は無味乾燥なものとなるでしょう。

二つ目は、学生の皆さんの世界を広げる、という役割です。
学生の皆さんの前には、広大な知的空間が広がっています。高校では経験できなかった知的空間に誘うことで、自分が選択した分野の位置づけを問い直すとともに、他分野への関心を広げることで、自らの学問や人生をより充実させていただけると考えています。とくに、2014年度からは英語による授業を増加させたことで、従来以上に多面的な誘いが可能になるものと考えています。

教育院においては、以上のような役割を担う教養・共通教育を企画・実施するため、各学部から教育院に教員が移籍して企画評価専門委員会を構成し、開講科目、授業内容・方法、成績評価、担当者等、あるべき教養・共通教育の内容に関して検討を行っています。教育院において企画される教養・共通教育は、基本的に各学部の学士課程の編成方針を基礎にするものですが、教育院において独自に教養・共通教育の内容を検討して各学部に提案し、各学部と協力して本学全体としての教養・共通教育の内容を決定します。

教育院は、企画評価専門委員会において検討された科目を、自らの専任教員によるとともに広く全学の協力を得て実施します。そのため、教育院の最高意思決定機関である協議会には、すべての学部長と独立研究科及び研究所等の代表が参画しています。

従来、本学では、教養・共通教育の企画は高等教育研究開発推進機構で行う一方、その実施は実施責任部局や協力部局まかせであり、必ずしも企画どおりの実施ができる体制とはなっていませんでした。その結果、教養教育としては過度に専門的な内容の科目が増加する等の問題が生じました。
国際高等教育院は、こうした過去に対する反省から生み出されたものであり、本学の教養・共通教育のあるべき姿を検討したうえで、その確実な実施が可能となるように制度設計されています。もちろん、このことは、教育と研究との分離を意味するものではありません。科目を担当する教員はいずれもその分野の研究者であり、研究を基礎として授業を行います。そのことによってのみ上述の教養・共通教育の役割を果たしうるものと考えています。

すでに、2013年度から企画評価専門委員会が今後の科目編成に関する検討を開始しており、分野ごとに報告が出されています。その成果を基礎に、一部の分野については2014年度から科目の見直しが実施され、本格的な科目編成の変更は、2016年度から実施しました。今後も企画評価専門委員会において不断に検討を行い、本学における教養・共通教育をさらに充実させていきたいと考えています。