概要

 いわゆる第4次産業革命の前触れとも言える AI・ビッグデータ解析などの新技術の急速な進歩は、学術全般・産業界のみならず日常生活の至る所に大きな変化をもたらしており、これらの技術革新の根幹である情報学・統計学・数理科学に対する基本的な理解は、文理を問わず、社会を支える広範な人材にとっての基礎的な教養となりつつあります。

 京都大学には、情報・統計・数理に関しトップレベルの研究業績を有する教員が多数在籍し、その学識等を基にそれぞれの学部等で教育を行ってきましたが、データ科学イノベーション教育研究センターを通じ、これらの教員が連携し、論理力の涵養を根幹とした21世紀の基礎教養としての情報学・統計学・数理科学に関する基盤教育を、学部における全学共通教育から大学院における高度専門教育までの各段階に応じ、効果的かつ全学的に提供できる体制を整備し、データ科学者の養成や産業全般で同時進行する第4次産業革命をトップレベルで支える人材育成を行うことを目的としています。

 このセンターは、文部科学省による「数理及びデータサイエンスに係る教育強化」拠点校に選定され、共通政策課題(数理及びデータサイエンスに係る教育強化)として予算措置を受け、平成29年度は、従来から開設されてきた「統計入門」や「数理統計」に加え、専門教育基礎教育、専門教育、高度専門教育に関し、学部・大学院のニーズを聴取しつつ、開設科目を具体化し、カリキュラム整備・科目の設計等を行うとともに、特に多数の受講者が見込まれる科目についてe-learning教材を開発し、平成30年度からは体系的な情報学・統計学・数理科学教育を展開していきます。

 また、拠点校6校による「拠点大学コンソーシアム」を形成し、連携体制を構築していくなかで、積極的な情報提供や役割分担などを通じ、全国的なモデルとなる標準カリキュラムの作成にも貢献していきます。