英語教育とE科目について
英語教育とE科目の目的
京都大学では、豊かな知性と人間性を育む教養教育を実施し、新たな知の創造につながる専門教育を積み上げ、社会の各方面で指導的な役割を果たしうる人材を育成することを目指しています。国際高等教育院では、そのために学術的教養と学術的言語技能を融合した英語教育を目指していて、これを「学術目的の英語」(English for Academic Purposes, EAP)と呼んでいます。具体的には、内容面においては、学問の場にいる者にふさわしい教養の涵養を、技能面においては、英語での論文執筆、口頭発表、学術文献の読解、講義の理解など、学問の場にいる者にふさわしい学術的言語技能の涵養を目指します。
研究者、コンピューター技術者、国際ビジネス、弁護士、医療専門職などそれぞれの職業に特化した「特定学術目的の英語」(English for Specific Academic Purposes; ESAP)を身につける前に、英語を母国語とする人々誰もが大学を卒業するまでに身に付けている「一般学術目的の英語」(English for General Academic Purposes; EGAP)を習得しなければなりません。それは、国際化した社会において学問研究に従事し、あるいは、社会の様々な分野で活躍するためには、さらなる英語力強化の必要性が大きくなっているからです。卒業生に対する実践的な英語運用能力に対する社会的ニーズが高まっているのも、その一端と考えられます。
これらの状況を踏まえたうえで、国際高等教育院ではみなさんの英語力強化に資するようにカリキュラムを構築しています。
1回生を対象として、英語の4技能(読む、書く、聞く、話す)の強化に努めるべく、前期に「英語リーディング(前期)」、「英語ライティング-リスニングA」、後期に「英語リーディング(後期)」、「英語ライティング-リスニングB」の4科目を開講しています。外国語として英語を選択したみなさん(工学部地球工学科国際コースを除く)は、これら4科目、計8単位を修得しなければなりません。1回生の間に大学での学びに必要な「学術目的の英語」の修得に取り組んでください。英語ライティング-リスニングの授業には、コミュニケーション能力の向上にいっそう注力するため、リスニングの強化を図り、ICTを活用した自習を組み込んでいます。開講科目の詳細は、下記の「英語科目の概要」と「英語科目の編成」をご覧ください。
主として2回生以上に対しては、みなさんそれぞれのニーズや能力の多様性に対応しつつ、国際化した社会からの要望にも応えるため、さらなる英語力の向上を図るべく、E科目を開講しています。E科目は、人文・社会科学科目群や自然科学科目群といったそれぞれの科目群を横断して設定されており、従来の科目編成とは異なる枠組を持ちます。卒業に必要なE科目の単位数は学部(学科)により異なりますが、外国語として英語を選択した場合には修得単位の中にE科目の単位が少なくとも4単位以上含まれることを求めています。E科目の詳細やカテゴリーについては、下記の「E科目について」と「E科目を履修する上での注意事項」をご覧ください。
履修の流れ
英語科目の概要
英語科目には大別して、リーディングクラスとライティング―リスニングクラスの二つがあり、それぞれを履修しなければなりません。
リーディングクラスは、学部の履修方針に応じた洋書や、まとまった長さのある学術的な文献などを対象としたアカデミックリーディングを通して、英語による学術的教養の涵養を目指しています。アカデミックリーディングは、英文の意味を捉える読解力の強化を目指すとともに、その文章が書かれた文化的、社会的背景や思想などにまで踏み込むものです。教員からの一方的な教授ではなく、対話による能動的な学習を行うことで、英米のみならず、様々な国の文化や社会、思想の理解を通じて、真に国際人として通用する教養と知識の涵養に努めます。
ライティング―リスニングクラスは、一クラスあたり約20名の少人数クラスによる、きめ細かな指導の下、英語技能の修得に努めます。ライティングに関しては、学術的な文章の作成に必須となる論理的な英文の基本構造を学び、エッセイライティングやレポート作成などのアカデミックライティング活動を通して、学術的言語技能を養うことを目標としています。また、リスニングに関しては、オンライン課題に取り組むことで、英語による講義の聴講を念頭に置いた聴解力を育成します。さらに、外国人教員と日本人教員のチームティーチングを導入し、前期もしくは後期のいずれかを外国人教員が担当することで、英語コミュニケーション能力の育成を目指します。いずれのクラスも、大学の英語科目としてふさわしい内容とレベルを考慮しています。
英語科目の編成
英語は、全学生向け(工学部地球工学科国際コース除く)英語科目と、工学部地球工学科国際コース向け英語科目に分かれています。それぞれの履修における注意事項などについては、 「全学共通科目履修の手引き」 を参照してください。
Ⅰ. 全学生向け(工学部地球工学科国際コース除く)英語科目
◆1回生対象
-
英語リーディング
-
[符号]
ER -
[開講期]
前期後期 -
[単位]
2 -
[対象回生]
1のみ -
[定員]
約40 -
[備考]
1回生専用クラス・アカデミックリーディング
-
[符号]
-
英語ライティング-リスニングA
-
[符号]
EWLA -
[開講期]
前期 -
[単位]
2 -
[対象回生]
1のみ -
[定員]
約20 -
[備考]
1回生専用クラス・アカデミックライティング&リスニング
-
[符号]
-
英語ライティング-リスニングB
-
[符号]
EWLB※ -
[開講期]
後期 -
[単位]
2 -
[対象回生]
1のみ -
[定員]
約20 -
[備考]
1回生専用クラス・アカデミックライティング&リスニング
-
[符号]
-
英語ライティング-リスニングA 上級
-
[符号]
EWLA -
[開講期]
前期 -
[単位]
2 -
[対象回生]
1のみ -
[定員]
約25 -
[備考]
1回生専用上級クラス・アカデミックライティング&リスニング
-
[符号]
-
英語ライティング-リスニングB 上級
-
[符号]
EWLB※ -
[開講期]
後期 -
[単位]
2 -
[対象回生]
1のみ -
[定員]
約25 -
[備考]
1回生専用上級クラス・アカデミックライティング&リスニング
-
[符号]
科目名 | 符号 | 開講期 | 単位 | 対象回生 | 定員 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
英語リーディング | ER | 前期 | 2 | 1のみ | 約40 | 1回生専用クラス・アカデミックリーディング |
後期 | 2 | 1のみ | 約40 | |||
英語ライティング-リスニングA | EWLA | 前期 | 2 | 1のみ | 約20 | 1回生専用クラス・アカデミックライティング&リスニング |
英語ライティング-リスニングB | EWLB※ | 後期 | 2 | 1のみ | 約20 | 1回生専用クラス・アカデミックライティング&リスニング |
英語ライティング-リスニングA 上級 |
EWLA | 前期 | 2 | 1のみ | 約25 | 1回生専用上級クラス・アカデミックライティング&リスニング |
英語ライティング-リスニングB 上級 |
EWLB※ | 後期 | 2 | 1のみ | 約25 | 1回生専用上級クラス・アカデミックライティング&リスニング |
◆単位未修得者専用クラス ※1
-
英語リーディング
-
[符号]
ESR -
[開講期]
前期後期 -
[単位]
2 -
[定員]
約60 -
[備考]
単位未修得者専用クラス
-
[符号]
-
英語ライティング-リスニングA
-
[符号]
ESWLA -
[開講期]
前期後期 -
[単位]
2 -
[定員]
約50 -
[備考]
単位未修得者専用クラス
-
[符号]
-
英語ライティング-リスニングB
-
[符号]
ESWLB※2 -
[開講期]
前期後期 -
[単位]
2 -
[定員]
約50 -
[備考]
単位未修得者専用クラス
-
[符号]
科目名 | 符号 | 開講期 | 単位 | 対象回生 | 定員 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
英語リーディング | ESR |
前期 後期
|
2 |
前期:2以上 後期:1以上
|
約60 | 単位未修得者専用クラス |
英語ライティング-リスニングA | ESWLA |
前期
後期
|
2 |
前期:2以上 後期:1以上
|
約50 | 単位未修得者専用クラス |
英語ライティング-リスニングB | ESWLB※2 |
前期
後期
|
2 |
2以上 |
約50 | 単位未修得者専用クラス |
Ⅱ.工学部地球工学科国際コース向け英語科目
◆全回生対象
E科目について
国際高等教育院では、みなさんの英語によるコミュニケーション能力の向上と国際性の涵養を図るため、全学共通科目で開講されている科目の中から、英語力強化に資すると考えられる科目を選び、E科目として指定しています。
外国語として「英語を学ぶ」だけでなく、「英語で学ぶ」ことはみなさんの英語力を一層向上させ、国際的な学問研究や社会の様々な分野で活躍することにつながるものと考えますので、みなさんの積極的な受講を期待します。
E科目には次の3つのカテゴリーがあります。履修の際の参考にしてください。
E1 | 英語テキストの講読を中心的な内容とする科目 (人文・社会科学科目群:英文学、英語圏の文化の教授、あるいは学部が英語を用いて専門的内容を教授する科目) |
E2 | 英語を使用言語として実施される科目 (全ての科目群における英語講義科目:原則として外国人教員が英語による授業を行う科目) |
E3 | 英語スキルの向上を目的とする科目 (キャリア形成科目群:英語を用いた討論、発表などの技術力向上を目指す科目) |
E科目を履修する上での注意事項
E科目は英語科目との順次性を考慮して開講しています。1回生の間は、英語リーディング、英語ライティング-リスニングの学修を通じて英語力の涵養に努めてください。2回生からその力を活用して、3つのカテゴリーの中からみなさんそれぞれの興味関心や英語学習の目的に合ったE科目を選んで履修してください。予習や復習にかかる学習時間を考慮して無理のない範囲で履修してください。
● E1・E3科⽬について
- 科⽬名に「全・英」の表⽰がある全学向けのE1・E3科⽬は、2回⽣前期・後期の各セメスターにつきE1またはE3科⽬から1科⽬を選択することを基本としています。
- 2回生時以降にE2科目を履修するために英語聴解力を向上させたい方を対象として、1回生後期にも履修できる「アカデミックリスニング(全・英)-E3」を試行的に開講します。(詳細については別途案内します)
- 学部によっては、「(学部)・英」の表⽰があるE1・E3科⽬が2回⽣に配当されます。
● E2科⽬について
- E2科⽬については履修者が⼀定の英語基礎⼒(TOEFL ITP スコア480点以上が⽬安です)を有することを前提として授業が進められます(提出課題、筆記試験やレポート試験も特段の指示がない限り英語で解答が求められます)ので、2回⽣から履修することを原則としています。
ただし、⼗分な英語⼒(TOEFL ITP スコア530点以上が⽬安です)がある⽅は1回⽣からでも履修することが可能です。 - 1回⽣4⽉、12⽉に実施するTOEFL ITP テストで⾃分の英語⼒を把握しましょう。
- 例外的に、ILAS Seminar-E2や英語で開講される実験科⽬(Elementary Experimental Physics-E2、Fundamental Chemical Experiments-E2)は、少⼈数で対話ができるゼミ・実験形式の科⽬ですので1回⽣からの履修を推奨しています。
また、所属学部(学科)で必修科⽬や選択必修科⽬に指定され1回⽣に配当されているE2科⽬は学部(学科)の指⽰に従い1回⽣で履修し、科⽬内容の理解、英語⼒の向上に努めてください。
卒業に必要な単位数、E科目のカテゴリーや科目の指定は学部・学科により異なりますので、入学予定者サイトの「学びに関すること:卒業に必要な全学共通科目の単位数について」、もしくは 全学共通科目履修の手引き の「各学部の修得すべき全学共通科目の単位数について」で確認してください。
E科目の履修におけるこの他の注意事項は、 「全学共通科目履修の手引き」 を確認してください。