「勉強を楽しむ文化」を体験するため留学

農学部2年 岡田 瀬礼奈

岡田 瀬礼奈
農学部2年

参加プログラム交換留学
留学先アイルランド国立大学ダブリン校(アイルランド)
留学期間2017年9月~12月(約4か月)

授業についていくには予習と復習が必須

私は京都大学での二年生の後期にあたる、2017年9月から12月の4か月間、アイルランド国立大学ダブリン校(以下UCD)へ留学しました。この期間はUCDでの二年生の前期に当たります。

UCDではコースごとに取るべき専門授業が決められており、それに加えて別の分野の科目を二つ受講することが出来ました。私は農学部に所属しており、UCDの農学部での授業を受ける目的で留学したため、専門科目のうちのSoil Science Basics, Food Macronutrients, そしてAgricultural Botany を受講し、English for academic Purposes とIreland Uncoveredをとって語学とアイルランドの歴史について学びました。

授業はもちろん全て英語で行われ、初めはアイルランド訛りの英語を聞き取るのが困難なこともありました。しかし、幸運なことにUCDではほとんどの講義で授業資料が事前に学習サイトにアップロードされていたため、予習や復習をできる環境にありました。そこで私は、授業前に講義資料に目を通して知らない単語の意味を調べることと、授業後に講義内容を思い出しながら復習をすることを自らに課し、講義に喰らいついていきました。おかげで受講した講座の全ての単位を取得することができ、そのうち一科目を京大との単位互換に使用しました。

自作の干し椎茸で蕎麦をふるまう

私はUCD構内にある学生寮に入寮しました。一つの居住ユニットには、ベッドルームが四つとキッチン、バスルームが二つあり、四人の学生で共同生活を送りました。私のフラットメイトは偶然にも全員アメリカからの留学生でしたが、同じアメリカ人でもバックグラウンドは様々で、アイルランド系、インド系、ベトナム系の女の子たちと楽しい日々を過ごしました。そのうちの一人、インド系アメリカ人のフラットメイトは宗教上の理由でベジタリアンだったため、彼女と一緒に食事をするときには使用されている食材に留意する必要がありました。

ダブリン市内や旅行先の飲食店に行って驚いたのは、ほぼ全ての場所でベジタリアンメニューがあり、メニュー表に分かりやすく表記がされていたことです。また、植物性の食材のみを使用したベジタリアンレストランもあり、食生活の多様性への対応がなされているのが印象的でした。

留学期間の中で、私もフラットメイトに食事を作って振舞う機会があり、レシピを工夫したエピソードがあります。韓国人の友達に蕎麦が食べたいと言われてアジア料理パーティーをすることになり、私のフラットのキッチンで開催するということでフラットメイト三人も招待しました。ただ、市販の蕎麦出汁には鰹出汁が使用されているため、インド系アメリカ人のフラットメイトに食べてもらうことはできません。そこで私は昆布と椎茸の出汁を取ることにしたのですが、乾燥椎茸は飲食店用の大容量のものしか売っていませんでした。その時諦めて別の品を作るよう変更することもできましたが、無いものは作れば良いと、私は乾燥椎茸を自作することにしました。パーティー開催の一週間前に生椎茸を購入して薄く切り、キッチンペーパーと新聞紙に挟んで乾燥機の近くで干します。ビタミンDの生成には日光に当てることが必要となるので、出汁を取る数時間前には窓際に移動させ、干し椎茸を完成させました。自分で干した椎茸と昆布で取った出汁を使って蕎麦を振る舞えた時には、日本文化の伝道師になれた気分で大満足でした。一方で、日本食の根幹とも言える出汁は鰹節やカタクチイワシなどの魚成分が主になっており、ベジタリアンやヴィーガンといった食生活を送る人々に対して魅力を発信しにくいものであることに気づきました。

価値ある留学にするには

私の当初の目標は、アイルランドの「勉強を楽しむ文化」を体験することでした。これは、国別の留学情報サイトで見つけた情報で、人生を楽しむことが得意なアイルランド人には、勉強を楽しむ文化がある、と書かれていたのです。しかし、正直に言うとこの目標の達成度は50%です。私は授業の形式や雰囲気、学生の意欲に顕著な差が見られるのではないかと思っていたのですが、日本の大学と目に見える差はありませんでした。これは学部やコースによっても違いが出ることかもしれませんが、少なくとも私のいたコースでの印象はそうでした。むしろ、どこの国でも楽しんで勉強している人は楽しんでいるし、勉強以外のことに楽しみを見出している人はいるしと、一言で「この国の人はこう」とまとめることはできないということを学びました。

これから留学する方へ私ができるアドバイスは、しっかりと目標を立ててから留学をしてほしいということです。「しっかりと」というのは、自分がどのように行動して実行するか計画が立てられるほど具体的なものである、ということです。ぜひご自身がこれを実行したと胸を張れるような、価値の高い留学にしてほしいです。