授業の進捗状況や受講生の習熟度などによって「授業計画と内容」,「成績評価の方法」が変更になる場合があります。
(科目名) |
自然と文化 −農の営みを軸に−
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(英 訳) | Nature and Culture : Perspectives from Agriculture | ||||||||||||||||||||||
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(担当教員) |
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(群) | キャリア | ||||||||||||||||||||||||
(分野(分類)) | 地域連携 | ||||||||||||||||||||||||
(使用言語) | 日本語 | ||||||||||||||||||||||||
(旧群) | B群 | ||||||||||||||||||||||||
(単位数) | 2 単位 | ||||||||||||||||||||||||
(週コマ数) | 1 コマ | ||||||||||||||||||||||||
(授業形態) | 講義 | ||||||||||||||||||||||||
(開講年度・開講期) | 2024・前期 | ||||||||||||||||||||||||
(配当学年) | 全回生 | ||||||||||||||||||||||||
(対象学生) | 全学向 | ||||||||||||||||||||||||
(曜時限) | 水2 |
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(教室) | 1共33 | ||||||||||||||||||||||||
(授業の概要・目的) | 農林業は、生物生産を通じた技術的体系あるいは経済的営為であるだけでなく、自然と深く関わってきた歴史の所産としての文化という側面をもっている。また、農林業は、その営みを通じて地域の環境形成やその維持にも大きな役割を果たしてきた。国内外での多様なフィールドワークにもとづいて、地域の環境や文化の形成・維持に果たしてきた農林業の役割を明らかにしつつ、「農」の営みがもつ現代的な意義と意味を問いかける。 | ||||||||||||||||||||||||
(到達目標) | 地域の環境や文化の形成・維持に果たしてきた農林業の役割を考察できるようになる。 | ||||||||||||||||||||||||
(授業計画と内容) | 各教員が複数回の講義を担当する。それぞれのフィールドワークを基礎に以下の課題についてリレー講義を行う。 第一部 生存を支える農の営み 1)イントロダクション(小坂康之) 農林業は、生物生産を通じた技術的体系あるいは経済的営為であるだけでなく、自然と深く関わってきた歴史の所産としての文化という側面をもっています。また、農林業は、その営みを通じて地域の環境形成やその維持にも大きな役割を果たしてきました。本講義では、国内外での多様なフィールドワークにもとづいて、地域の環境や文化の形成・維持に果たしてきた農林業の役割を明らかにしつつ、「農」の営みがもつ現代的な意義と意味を問いかけていきます。まずはこの教室を出発点として「自然と文化」を考えることからはじめてみましょう。 2)食と自然への生物学的適応(古澤拓郎) 人類は、アフリカに誕生してから今日にいたるまで世界各地に広がり、さまざまな環境に適応する形で進化してきました。その適応の重要な点は、生命を持続するために食を得て、農を営むことです。人類が自然の何をどのようにして食にしてきたか、また食を栄養にするためにどのような身体・生理機能を獲得してきたかを軸に、人類の生物学的適応と文化的適応について概観します。 3)農の基盤としての地球(柳澤雅之) 農の営みは、人間が自然のシステムをうまく利用することで成り立っています。具体的には、物質やエネルギーの循環、生き物の繁殖や遺伝といった、地球の自然が持つ多様なシステムをうまく利用しているわけです。そしてこれらのシステムは、地球誕生以来の歴史の中で形成されてきたものです。農の営みの基盤としての地球システムの読み解きについて考えます。 第二部 人と自然の関係 4)里山の環境利用(小坂康之) 日本では現在、木材伐採、薪炭材や刈敷きの採集、狩猟などによる森林資源利用が少なくなりました。その結果、かつて里山を覆っていたコナラやアカマツの明るい疎林は、シイやカシがうっそうと茂る照葉樹林になりました。シカやイノシシなどの野生動物が増え、農作物や森林植物の食害が問題化しています。一方で東南アジアの里山では、資源の過剰採集による森林の劣化が指摘されています。日本と東南アジアの里山を比較しながら、人と自然の付き合いかたを考えます。 5)薬用植物の利用と伝播(柳澤雅之) 16世紀末に本草綱目が編纂されて以降、東アジアには巨大な生薬市場が存在していました。製品となった薬だけでなく、植物体そのものも各地に持ち込まれ、植物相にも影響を与えたと考えられます。ベトナムや日本のシナモンを中心的な事例としながら、近世以降のアジアにおける薬用植物の利用と伝播を追いかけます。それにより、現在の私たちの身近にある自然や文化の中に見出される植物の来歴を考えます。 6)遊牧民と野生動物の共存・共生(木下こづえ) ヒマラヤなどの山岳地域では、多くの人々は牧畜業で生計を立てています。一部の地域では家畜数の増加により草資源が枯渇したり、牧羊犬が野生化することで野生動物を襲い、感染症が蔓延するなど、野生動物への影響が懸念されています。野生動物のドキュメンタリー映像を見ながら、遊牧民の営みが野生動物に与える影響について考えます。 7)農作物食害や家畜襲撃による野生動物と人との軋轢(木下こづえ) 世界のさまざまな地域で、農作物を荒らしたり、家畜や人を襲撃したりする事例が多種多様な動物で報告されています。その報告は、個体数が増加している動物もあれば、絶滅に瀕する動物も含まれます。なぜ、野生動物は人の生活圏にやってくるのでしょうか?国内外の事例をもとに、野生動物が農作物や家畜襲撃に至る要因について考えます。 第三部 山と海の生態智 8)照葉樹林文化(柳澤雅之) ヒマラヤ山脈中腹から西日本にかけての地域には、カシやシイ、ツバキ等、葉に光沢のある樹木が卓越する植生がかつては卓越し、これらと同じ地域に、水さらしによるアク抜きや漆の利用、モチ、お茶、味噌・納豆、シルク生産といったさまざまな物質文化と、洪水神話や羽衣伝説といった精神文化の両方で共通の文化要素が見て取れます。これを照葉樹林文化と呼びます。照葉樹林文化を紹介しながら、自然と文化について考えると同時に、フィールドワークに基づいた京都大学の知の伝統について考えます。 9)ヒマラヤの暮らしの変容(小坂康之) 東ヒマラヤは地形が険しく、疾病が猖獗を極め、20世紀半ばまで外部者の立ち入りを阻んできました。その後、インドと中国の国境係争地になると、インドによる実効支配確立のため、文化の異なる人々の同化政策が進められました。その過程で、地域固有の言語は共用語へ、焼畑耕作は水田耕作へ、雑穀食は米食へと転換されつつあります。ヒマラヤの暮らしの変容をテーマに、自然、文化、政治など、さまざまな問題を考えます。 10)熱帯島嶼部の暮らしと環境問題(古澤拓郎) 島嶼部という限られた面積、閉じられた生態系の中で、人間はどのように暮らしてきたのか、をテーマにします。太平洋の島々には、森林被覆率が非常に高いものがあります。ただしその中には、人間が生きていくことができるように、生産性が高い人工の森林にすべて置き換えてきたものもあります。この一方で、現在では気候変動による異常気象や、海面上昇に直面している社会もあります。島嶼特有の適応戦略と現代の課題について考えます。 11)自然知としての暦と生業(古澤拓郎) 農耕・狩猟・漁撈といった生業社会では、環境から安定して食料を得られるように、そして干ばつ・洪水・地震津波といった災害に備えて被害を抑えるために、自然についての知識を蓄積してきました。そのような民族(民俗)科学は、西洋科学とは異なりますが、実用的で高度なものです。生態系についての知識である民族生態学と、季節変化を予測する知識としての在来暦を中心に取り上げ、自然認識・自然利用と在地の災害レジリエンスについて見ていきます。 第四部 農と食の多様性の未来 12)「自然の窓」としての動物園・水族館の役割を考える(木下こづえ) 日本には150園館を超える動物園・水族館が存在します。世界の多種多様な動物を飼育し調査研究すると共に、展示教育によって動物の生態だけでなく、生息地で動物たちを取り巻く環境や人々の暮らしを伝える重要な役割を担っています。世界と日本における動物園・水族館の歴史を紹介しながら、「自然の窓」としての動物園・水族館の可能性を探ります。 13)アジアの水田稲作と「緑の革命」(小坂康之) アジアでは各地に水田がみられますが、稲作技術は地域ごとに異なっていました。それは、地形や土壌、気温、降水量など、地域の自然環境に適した細やかな技術が培われ、長年にわたって受け継がれてきたからです。しかし、「緑の革命」と呼ばれる農業の近代化の過程で、環境負荷の小さい細やかな技術が失われてきました。農業生産と環境保全を両立させることは可能なのか、アジアの様々な水田稲作を紹介しながら考えます。 14)アジアの食文化グローバリゼーション(古澤拓郎) 20世紀には、いずれ世界の人口が増加して、食料危機が起こるという予測もありましたが、これは欧米人の食生活に基づいたものでした。しかし実際に爆発的に人口が増加してきているのはアジアであり、そこには固有の食文化があります。東・東南アジアで好まれる豚肉や魚介類、イスラム教徒やヒンドゥー教徒の鶏肉食・菜食主義は、欧米の牛肉嗜好よりも必要な飼料が少なく、一人当たりに必要な農地も少ないため、食料危機が起こる見通しは少なくなっています。ただ、アジアでも食の欧米化というグローバリゼーションが進んでいます。そこでアジアの食生活が欧米化する問題を検討するとともに、アジアの食文化の可能性を科学的データから考えます。 【期末試験】:各担当教員が1題ずつ出題する問題のなかから2つを選び、論述形式で解答する試験を実施します。 15)フィードバック |
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(履修要件) |
特になし
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(成績評価の方法・観点及び達成度) | 毎回の講義の最後に出席確認を兼ねたアンケート調査を実施する(評価には含めない)。授業参加度40点、期末試験60点で成績を判定する。 | ||||||||||||||||||||||||
(教科書) |
使用しない
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(参考書等) |
授業中に紹介する
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(授業外学習(予習・復習)等) | 講義の中で文献・図書を紹介するので、自学自習に役立ててほしい。 | ||||||||||||||||||||||||
(その他(オフィスアワー等)) | 農学を志す学生だけでなく、広く人と自然の関わりや農林業に関心をもつ学生を対象とする。これまでも文科系学生が多数受講しており、理科系・文科系相方の学生の受講を期待する。 | ||||||||||||||||||||||||
自然と文化 −農の営みを軸に−
(科目名)
Nature and Culture : Perspectives from Agriculture
(英 訳)
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(群) キャリア (分野(分類)) 地域連携 (使用言語) 日本語 | ||||||||||||||||
(旧群) B群 (単位数) 2 単位 (週コマ数) 1 コマ (授業形態) 講義 | ||||||||||||||||
(開講年度・ 開講期) 2024・前期 (配当学年) 全回生 (対象学生) 全学向 |
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(曜時限)
水2 (教室) 1共33 |
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(授業の概要・目的)
農林業は、生物生産を通じた技術的体系あるいは経済的営為であるだけでなく、自然と深く関わってきた歴史の所産としての文化という側面をもっている。また、農林業は、その営みを通じて地域の環境形成やその維持にも大きな役割を果たしてきた。国内外での多様なフィールドワークにもとづいて、地域の環境や文化の形成・維持に果たしてきた農林業の役割を明らかにしつつ、「農」の営みがもつ現代的な意義と意味を問いかける。
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(到達目標)
地域の環境や文化の形成・維持に果たしてきた農林業の役割を考察できるようになる。
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(授業計画と内容)
各教員が複数回の講義を担当する。それぞれのフィールドワークを基礎に以下の課題についてリレー講義を行う。 第一部 生存を支える農の営み 1)イントロダクション(小坂康之) 農林業は、生物生産を通じた技術的体系あるいは経済的営為であるだけでなく、自然と深く関わってきた歴史の所産としての文化という側面をもっています。また、農林業は、その営みを通じて地域の環境形成やその維持にも大きな役割を果たしてきました。本講義では、国内外での多様なフィールドワークにもとづいて、地域の環境や文化の形成・維持に果たしてきた農林業の役割を明らかにしつつ、「農」の営みがもつ現代的な意義と意味を問いかけていきます。まずはこの教室を出発点として「自然と文化」を考えることからはじめてみましょう。 2)食と自然への生物学的適応(古澤拓郎) 人類は、アフリカに誕生してから今日にいたるまで世界各地に広がり、さまざまな環境に適応する形で進化してきました。その適応の重要な点は、生命を持続するために食を得て、農を営むことです。人類が自然の何をどのようにして食にしてきたか、また食を栄養にするためにどのような身体・生理機能を獲得してきたかを軸に、人類の生物学的適応と文化的適応について概観します。 3)農の基盤としての地球(柳澤雅之) 農の営みは、人間が自然のシステムをうまく利用することで成り立っています。具体的には、物質やエネルギーの循環、生き物の繁殖や遺伝といった、地球の自然が持つ多様なシステムをうまく利用しているわけです。そしてこれらのシステムは、地球誕生以来の歴史の中で形成されてきたものです。農の営みの基盤としての地球システムの読み解きについて考えます。 第二部 人と自然の関係 4)里山の環境利用(小坂康之) 日本では現在、木材伐採、薪炭材や刈敷きの採集、狩猟などによる森林資源利用が少なくなりました。その結果、かつて里山を覆っていたコナラやアカマツの明るい疎林は、シイやカシがうっそうと茂る照葉樹林になりました。シカやイノシシなどの野生動物が増え、農作物や森林植物の食害が問題化しています。一方で東南アジアの里山では、資源の過剰採集による森林の劣化が指摘されています。日本と東南アジアの里山を比較しながら、人と自然の付き合いかたを考えます。 5)薬用植物の利用と伝播(柳澤雅之) 16世紀末に本草綱目が編纂されて以降、東アジアには巨大な生薬市場が存在していました。製品となった薬だけでなく、植物体そのものも各地に持ち込まれ、植物相にも影響を与えたと考えられます。ベトナムや日本のシナモンを中心的な事例としながら、近世以降のアジアにおける薬用植物の利用と伝播を追いかけます。それにより、現在の私たちの身近にある自然や文化の中に見出される植物の来歴を考えます。 6)遊牧民と野生動物の共存・共生(木下こづえ) ヒマラヤなどの山岳地域では、多くの人々は牧畜業で生計を立てています。一部の地域では家畜数の増加により草資源が枯渇したり、牧羊犬が野生化することで野生動物を襲い、感染症が蔓延するなど、野生動物への影響が懸念されています。野生動物のドキュメンタリー映像を見ながら、遊牧民の営みが野生動物に与える影響について考えます。 7)農作物食害や家畜襲撃による野生動物と人との軋轢(木下こづえ) 世界のさまざまな地域で、農作物を荒らしたり、家畜や人を襲撃したりする事例が多種多様な動物で報告されています。その報告は、個体数が増加している動物もあれば、絶滅に瀕する動物も含まれます。なぜ、野生動物は人の生活圏にやってくるのでしょうか?国内外の事例をもとに、野生動物が農作物や家畜襲撃に至る要因について考えます。 第三部 山と海の生態智 8)照葉樹林文化(柳澤雅之) ヒマラヤ山脈中腹から西日本にかけての地域には、カシやシイ、ツバキ等、葉に光沢のある樹木が卓越する植生がかつては卓越し、これらと同じ地域に、水さらしによるアク抜きや漆の利用、モチ、お茶、味噌・納豆、シルク生産といったさまざまな物質文化と、洪水神話や羽衣伝説といった精神文化の両方で共通の文化要素が見て取れます。これを照葉樹林文化と呼びます。照葉樹林文化を紹介しながら、自然と文化について考えると同時に、フィールドワークに基づいた京都大学の知の伝統について考えます。 9)ヒマラヤの暮らしの変容(小坂康之) 東ヒマラヤは地形が険しく、疾病が猖獗を極め、20世紀半ばまで外部者の立ち入りを阻んできました。その後、インドと中国の国境係争地になると、インドによる実効支配確立のため、文化の異なる人々の同化政策が進められました。その過程で、地域固有の言語は共用語へ、焼畑耕作は水田耕作へ、雑穀食は米食へと転換されつつあります。ヒマラヤの暮らしの変容をテーマに、自然、文化、政治など、さまざまな問題を考えます。 10)熱帯島嶼部の暮らしと環境問題(古澤拓郎) 島嶼部という限られた面積、閉じられた生態系の中で、人間はどのように暮らしてきたのか、をテーマにします。太平洋の島々には、森林被覆率が非常に高いものがあります。ただしその中には、人間が生きていくことができるように、生産性が高い人工の森林にすべて置き換えてきたものもあります。この一方で、現在では気候変動による異常気象や、海面上昇に直面している社会もあります。島嶼特有の適応戦略と現代の課題について考えます。 11)自然知としての暦と生業(古澤拓郎) 農耕・狩猟・漁撈といった生業社会では、環境から安定して食料を得られるように、そして干ばつ・洪水・地震津波といった災害に備えて被害を抑えるために、自然についての知識を蓄積してきました。そのような民族(民俗)科学は、西洋科学とは異なりますが、実用的で高度なものです。生態系についての知識である民族生態学と、季節変化を予測する知識としての在来暦を中心に取り上げ、自然認識・自然利用と在地の災害レジリエンスについて見ていきます。 第四部 農と食の多様性の未来 12)「自然の窓」としての動物園・水族館の役割を考える(木下こづえ) 日本には150園館を超える動物園・水族館が存在します。世界の多種多様な動物を飼育し調査研究すると共に、展示教育によって動物の生態だけでなく、生息地で動物たちを取り巻く環境や人々の暮らしを伝える重要な役割を担っています。世界と日本における動物園・水族館の歴史を紹介しながら、「自然の窓」としての動物園・水族館の可能性を探ります。 13)アジアの水田稲作と「緑の革命」(小坂康之) アジアでは各地に水田がみられますが、稲作技術は地域ごとに異なっていました。それは、地形や土壌、気温、降水量など、地域の自然環境に適した細やかな技術が培われ、長年にわたって受け継がれてきたからです。しかし、「緑の革命」と呼ばれる農業の近代化の過程で、環境負荷の小さい細やかな技術が失われてきました。農業生産と環境保全を両立させることは可能なのか、アジアの様々な水田稲作を紹介しながら考えます。 14)アジアの食文化グローバリゼーション(古澤拓郎) 20世紀には、いずれ世界の人口が増加して、食料危機が起こるという予測もありましたが、これは欧米人の食生活に基づいたものでした。しかし実際に爆発的に人口が増加してきているのはアジアであり、そこには固有の食文化があります。東・東南アジアで好まれる豚肉や魚介類、イスラム教徒やヒンドゥー教徒の鶏肉食・菜食主義は、欧米の牛肉嗜好よりも必要な飼料が少なく、一人当たりに必要な農地も少ないため、食料危機が起こる見通しは少なくなっています。ただ、アジアでも食の欧米化というグローバリゼーションが進んでいます。そこでアジアの食生活が欧米化する問題を検討するとともに、アジアの食文化の可能性を科学的データから考えます。 【期末試験】:各担当教員が1題ずつ出題する問題のなかから2つを選び、論述形式で解答する試験を実施します。 15)フィードバック |
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(履修要件)
特になし
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(成績評価の方法・観点及び達成度)
毎回の講義の最後に出席確認を兼ねたアンケート調査を実施する(評価には含めない)。授業参加度40点、期末試験60点で成績を判定する。
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(教科書)
使用しない
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(参考書等)
授業中に紹介する
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(授業外学習(予習・復習)等)
講義の中で文献・図書を紹介するので、自学自習に役立ててほしい。
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(その他(オフィスアワー等))
農学を志す学生だけでなく、広く人と自然の関わりや農林業に関心をもつ学生を対象とする。これまでも文科系学生が多数受講しており、理科系・文科系相方の学生の受講を期待する。
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