


授業の進捗状況や受講生の習熟度などによって「授業計画と内容」,「成績評価の方法」が変更になる場合があります。
(科目名) |
科学技術と社会に関わるクリティカルシンキング
|
(英 訳) | Critical Thinking on Science, Technology and Society | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
(担当教員) |
|
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(群) | 院横断 | ||||||
(分野(分類)) | 人文社会科学系 | ||||||
(使用言語) | 日本語 | ||||||
(旧群) | |||||||
(単位数) | 2 単位 | ||||||
(週コマ数) | 1 コマ | ||||||
(授業形態) | 講義 | ||||||
(開講年度・開講期) | 2025・後期 | ||||||
(配当学年) | 大学院生 | ||||||
(対象学生) | 全学向 | ||||||
(曜時限) | 木2 |
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(教室) | 文学部校舎第4講義室 | ||||||
文学研究科 の学生は、全学共通科目として履修できません。所属学部で履修登録してください。 | |||||||
(授業の概要・目的) | 伊勢田ほか編『科学技術をよく考える』および呉羽ほか編『宇宙開発をみんなで議論しよう』をテキストとして、科学技術と社会の接点で生じるさまざまな問題、特に宇宙開発をめぐる問題についてディスカッションを行い、多面的な思考法と、思考の整理術を学んでいく。理系の大学院のカリキュラムでは、科学と社会の関わりについて学ぶ機会はそれほど多く与えられない。他方、東日本大震災後の状況に特に顕著にあらわれているように、科学技術が大きな影響をおよぼす現在の社会において、研究者が自らの研究の社会的含意について考えること、アカデミズムの外の人々と語り合うことの必要性は非常に高まっている。練習問題を使いながら広い視野を持った大学院生を養成することが目的である。 | ||||||
(到達目標) | ・クリティカルシンキング(CT)という考え方について知り、CTのいくつかの基本的なテクニックを身につけること ・科学技術社会論の概念を学び、それを使って議論ができるようになること |
||||||
(授業計画と内容) | 授業はテーマにそったグループディスカッション、全体ディスカッション、講義、演習の組み合わせで行われる。 テキストは以下の14のテーマを取り上げているが、本授業ではそのうち6つをとりあげ、関連する知識やスキルとあわせて各2回程度を使って議論を行う。取り上げる題材は受講者の興味も踏まえて決定する。 『科学技術をよく考える』 ・遺伝子組み換え作物 ・脳科学の実用化 ・喫煙 ・乳がん検診 ・血液型性格判断 ・地球温暖化 ・地震予知 ・宇宙科学・技術への公的投資 ・動物実験 ・原爆投下の是非を論じること自体の正当性 『宇宙開発をみんなで議論しよう』 ・有人月探査とロマン ・宇宙の資源開発 ・宇宙技術のデュアルユース ・宇宙ゴミ(スペースデブリ) 初回に前半のテーマ3つを決定する。5回目の授業で後半のテーマ3つを決定する。 授業の進行は以下のとおり イントロダクション(1回) テーマごとのディスカッション(12回) まとめとフィードバック(2回) |
||||||
(履修要件) |
特になし
|
||||||
(成績評価の方法・観点及び達成度) | 3分の2以上の出席が単位発行の最低条件となる。 積極的な授業参加による平常点が70%、提出物の評価が30%で採点する。 |
||||||
(教科書) |
『科学技術をよく考える クリティカルシンキング練習帳』
(名古屋大学出版会)
『宇宙開発をみんなで議論しよう』
(名古屋大学出版会)
|
||||||
(参考書等) |
『哲学思考トレーニング』
(ちくま新書)
『新版 論理トレーニング』
(産業図書)
『よくわかる現代科学技術史・STS』
(ミネルヴァ書房)
|
||||||
(授業外学習(予習・復習)等) | ディスカッションのテーマとなる箇所は事前に読むこと。また宿題という形で課題を課すことがあるのでそれをきちんと行うこと。 | ||||||
(その他(オフィスアワー等)) | オフィスアワーは金曜日15:00-16:30 . | ||||||
科学技術と社会に関わるクリティカルシンキング
(科目名)
Critical Thinking on Science, Technology and Society
(英 訳)
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(群) 院横断 (分野(分類)) 人文社会科学系 (使用言語) 日本語 | |||||||
(旧群) (単位数) 2 単位 (週コマ数) 1 コマ (授業形態) 講義 | |||||||
(開講年度・ 開講期) 2025・後期 (配当学年) 大学院生 (対象学生) 全学向 |
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(曜時限)
木2 (教室) 文学部校舎第4講義室 |
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文学研究科 の学生は、全学共通科目として履修できません。所属学部で履修登録してください。 | |||||||
(授業の概要・目的)
伊勢田ほか編『科学技術をよく考える』および呉羽ほか編『宇宙開発をみんなで議論しよう』をテキストとして、科学技術と社会の接点で生じるさまざまな問題、特に宇宙開発をめぐる問題についてディスカッションを行い、多面的な思考法と、思考の整理術を学んでいく。理系の大学院のカリキュラムでは、科学と社会の関わりについて学ぶ機会はそれほど多く与えられない。他方、東日本大震災後の状況に特に顕著にあらわれているように、科学技術が大きな影響をおよぼす現在の社会において、研究者が自らの研究の社会的含意について考えること、アカデミズムの外の人々と語り合うことの必要性は非常に高まっている。練習問題を使いながら広い視野を持った大学院生を養成することが目的である。
|
|||||||
(到達目標)
・クリティカルシンキング(CT)という考え方について知り、CTのいくつかの基本的なテクニックを身につけること
・科学技術社会論の概念を学び、それを使って議論ができるようになること |
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(授業計画と内容)
授業はテーマにそったグループディスカッション、全体ディスカッション、講義、演習の組み合わせで行われる。 テキストは以下の14のテーマを取り上げているが、本授業ではそのうち6つをとりあげ、関連する知識やスキルとあわせて各2回程度を使って議論を行う。取り上げる題材は受講者の興味も踏まえて決定する。 『科学技術をよく考える』 ・遺伝子組み換え作物 ・脳科学の実用化 ・喫煙 ・乳がん検診 ・血液型性格判断 ・地球温暖化 ・地震予知 ・宇宙科学・技術への公的投資 ・動物実験 ・原爆投下の是非を論じること自体の正当性 『宇宙開発をみんなで議論しよう』 ・有人月探査とロマン ・宇宙の資源開発 ・宇宙技術のデュアルユース ・宇宙ゴミ(スペースデブリ) 初回に前半のテーマ3つを決定する。5回目の授業で後半のテーマ3つを決定する。 授業の進行は以下のとおり イントロダクション(1回) テーマごとのディスカッション(12回) まとめとフィードバック(2回) |
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(履修要件)
特になし
|
|||||||
(成績評価の方法・観点及び達成度)
3分の2以上の出席が単位発行の最低条件となる。
積極的な授業参加による平常点が70%、提出物の評価が30%で採点する。 |
|||||||
(教科書)
『科学技術をよく考える クリティカルシンキング練習帳』
(名古屋大学出版会)
『宇宙開発をみんなで議論しよう』
(名古屋大学出版会)
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(参考書等)
『哲学思考トレーニング』
(ちくま新書)
『新版 論理トレーニング』
(産業図書)
『よくわかる現代科学技術史・STS』
(ミネルヴァ書房)
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|||||||
(授業外学習(予習・復習)等)
ディスカッションのテーマとなる箇所は事前に読むこと。また宿題という形で課題を課すことがあるのでそれをきちんと行うこと。
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|||||||
(その他(オフィスアワー等))
オフィスアワーは金曜日15:00-16:30 .
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授業の進捗状況や受講生の習熟度などによって「授業計画と内容」,「成績評価の方法」が変更になる場合があります。
(科目名) |
人新世の人文学
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(英 訳) | Humanities in the Anthropocene | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
(担当教員) |
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||||||
(群) | 院横断 | ||||||
(分野(分類)) | 人文社会科学系 | ||||||
(使用言語) | 日本語及び英語 | ||||||
(旧群) | |||||||
(単位数) | 2 単位 | ||||||
(週コマ数) | 1 コマ | ||||||
(授業形態) | 講義 | ||||||
(開講年度・開講期) | 2025・後期 | ||||||
(配当学年) | 大学院生 | ||||||
(対象学生) | 全学向 | ||||||
(曜時限) | 木3 |
||||||
(教室) | 東一条館201大講義室 | ||||||
総合生存学館 の学生は、全学共通科目として履修できません。所属学部で履修登録してください。 | |||||||
(授業の概要・目的) | インド出身の作家アミタヴ・ゴーシュは「気候変動の危機は文化の危機であり、想像力の危機である」と述べたのだが、彼のいう危機のなかには当然のことながら人文学の危機もまた含まれる。危機とは、広い意味での思考の危機、言語の危機、人間の危機とも言えるが、それはすなわち、高温や旱魃や集中豪雨や海面上昇といった事態を前にして人間の新たなる思考、可能性が試されている、ということである。 人間がこの状況においてなおも生きていくには、この状況に関する新しい思考、感じ方、論じ方が求められることになるだろう。そのためには、この状況の理解の妨げになる古い思考、古い感受性から逃れ、別の仕方で世界を感じ、思考することが求められる。この授業では、気候変動という事実が、そこで生きている人間にとって意味することが何であるかを考え、そこで求められることになる人間の存在の仕方についてがどのようなものであるかを想像力を駆使して考えることの訓練を行う。具体的には、人文学の基本としての「読むこと」「考えること」「議論すること」「書くこと」の訓練であるが、それはまた、新聞やテレビや書籍において流布されている誤情報から身を守りつつネットで流れる陰謀論に陥らないでいるための訓練ともいえる。具体的には、人新世の人文学における重要なテキストのうちのいくつかを選び、精読しつつ授業を行う。 |
||||||
(到達目標) | ・人新世(人間活動を起因とする気候変動を特徴とする)においてなおも人文学をすることに意味があるとしたらそれは何故であるか理解すること。 ・人新世の人文学において先駆的業績とされる文献を精読することを通じて、未来の人文学の構想のための基本的アイデアに触れ、のみならず自分で理解すること。 ・人新世・気候変動に関して流布する情報の真偽を確かめるための基準を自分のなかに確立し、現実に起きている世界の変化の只中において今後生きていくための指針を見出していくこと。 |
||||||
(授業計画と内容) | 1.ガイダンス・「気候変動が想像力の危機である」ということの意味について考える(第1週) 2.人新世におけるリアリティ、思考、感じることに関する人文学的諸問題(第2週〜第5週) (ティモシー・モートンの議論を読解する。) 3.人新世における時空間の問題、そこでの生存可能性(habitability)への問い(第6週〜第9週) (ディペッシュ・チャクラバルティの議論を読解する) 4.人新世の人文学の可能性(第10週〜第14週) (モートン、チャクラバルティ以外の議論の紹介。) 5.ふりかえり(第15週) |
||||||
(履修要件) |
特になし
|
||||||
(成績評価の方法・観点及び達成度) | 授業への出席と授業レポートを参考にして総合的に判断します。 | ||||||
(教科書) |
授業中に指示する
|
||||||
(参考書等) | |||||||
(授業外学習(予習・復習)等) | 配布した文献をしっかり読んでおくこと。わからないことがあったら質問事項をまとめておくこと。 | ||||||
(その他(オフィスアワー等)) | |||||||
人新世の人文学
(科目名)
Humanities in the Anthropocene
(英 訳)
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|
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(群) 院横断 (分野(分類)) 人文社会科学系 (使用言語) 日本語及び英語 | |||||||
(旧群) (単位数) 2 単位 (週コマ数) 1 コマ (授業形態) 講義 | |||||||
(開講年度・ 開講期) 2025・後期 (配当学年) 大学院生 (対象学生) 全学向 |
|||||||
(曜時限)
木3 (教室) 東一条館201大講義室 |
|||||||
総合生存学館 の学生は、全学共通科目として履修できません。所属学部で履修登録してください。 | |||||||
(授業の概要・目的)
インド出身の作家アミタヴ・ゴーシュは「気候変動の危機は文化の危機であり、想像力の危機である」と述べたのだが、彼のいう危機のなかには当然のことながら人文学の危機もまた含まれる。危機とは、広い意味での思考の危機、言語の危機、人間の危機とも言えるが、それはすなわち、高温や旱魃や集中豪雨や海面上昇といった事態を前にして人間の新たなる思考、可能性が試されている、ということである。
人間がこの状況においてなおも生きていくには、この状況に関する新しい思考、感じ方、論じ方が求められることになるだろう。そのためには、この状況の理解の妨げになる古い思考、古い感受性から逃れ、別の仕方で世界を感じ、思考することが求められる。この授業では、気候変動という事実が、そこで生きている人間にとって意味することが何であるかを考え、そこで求められることになる人間の存在の仕方についてがどのようなものであるかを想像力を駆使して考えることの訓練を行う。具体的には、人文学の基本としての「読むこと」「考えること」「議論すること」「書くこと」の訓練であるが、それはまた、新聞やテレビや書籍において流布されている誤情報から身を守りつつネットで流れる陰謀論に陥らないでいるための訓練ともいえる。具体的には、人新世の人文学における重要なテキストのうちのいくつかを選び、精読しつつ授業を行う。 |
|||||||
(到達目標)
・人新世(人間活動を起因とする気候変動を特徴とする)においてなおも人文学をすることに意味があるとしたらそれは何故であるか理解すること。
・人新世の人文学において先駆的業績とされる文献を精読することを通じて、未来の人文学の構想のための基本的アイデアに触れ、のみならず自分で理解すること。 ・人新世・気候変動に関して流布する情報の真偽を確かめるための基準を自分のなかに確立し、現実に起きている世界の変化の只中において今後生きていくための指針を見出していくこと。 |
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(授業計画と内容)
1.ガイダンス・「気候変動が想像力の危機である」ということの意味について考える(第1週) 2.人新世におけるリアリティ、思考、感じることに関する人文学的諸問題(第2週〜第5週) (ティモシー・モートンの議論を読解する。) 3.人新世における時空間の問題、そこでの生存可能性(habitability)への問い(第6週〜第9週) (ディペッシュ・チャクラバルティの議論を読解する) 4.人新世の人文学の可能性(第10週〜第14週) (モートン、チャクラバルティ以外の議論の紹介。) 5.ふりかえり(第15週) |
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(履修要件)
特になし
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(成績評価の方法・観点及び達成度)
授業への出席と授業レポートを参考にして総合的に判断します。
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(教科書)
授業中に指示する
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(参考書等)
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(授業外学習(予習・復習)等)
配布した文献をしっかり読んでおくこと。わからないことがあったら質問事項をまとめておくこと。
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(その他(オフィスアワー等))
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授業の進捗状況や受講生の習熟度などによって「授業計画と内容」,「成績評価の方法」が変更になる場合があります。
(科目名) |
人文科学的空間論II
|
(英 訳) | The humanities of space 2 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
(担当教員) |
|
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(群) | 院横断 | ||||||
(分野(分類)) | 人文社会科学系 | ||||||
(使用言語) | 日本語及び英語 | ||||||
(旧群) | |||||||
(単位数) | 2 単位 | ||||||
(週コマ数) | 1 コマ | ||||||
(授業形態) | 講義 | ||||||
(開講年度・開講期) | 2025・後期 | ||||||
(配当学年) | 大学院生 | ||||||
(対象学生) | 全学向 | ||||||
(曜時限) | 木4 |
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(教室) | 東一条館025講義室 | ||||||
総合生存学館 の学生は、全学共通科目として履修できません。所属学部で履修登録してください。 | |||||||
(授業の概要・目的) | 人間が存在するということの条件を「空間」として考えるとしたら、それを人為的構築物(human artifice)として、つまりは制作の産物として捉えることが求められる。人為的構築物であるということは、「自然」の所与として存在する地球的・環境的な条件から切り離され、それとは別のところにおいて構築されるということであるが、この切断・構築をいかにして考えるかが、20世紀以降の人間の条件に関わる哲学的な思考における重要課題であるということを指摘したのが、政治哲学者のアーレントであった。アーレント自身、地球的・環境的な領域からの切断を、近代的な人間存在の条件に不可欠なことと捉え、それを前提として、持続的に存続可能な人間の公共的世界が成り立つと述べたのであるが、他方で、その困難をも指摘していた。21世紀になって、地球環境の不安定化のなかで人間の条件を問い直すという哲学的な課題が出てくる中、アーレントの思考を「生存可能性」 habitabilityの観点から読み直すという試みにおいて問われるのも、まさにこの困難である。この授業では、人間存在の空間性の人為性・自然との関係性という主題をめぐって、現代の哲学的議論や建築・現代美術における議論を参照しつつ探究する。 If we consider the condition of human existence in terms of the conception of space, we need to comprehend it as the human artifice, that is, the product of human fabrication. Thinking of the human condition as the human artifice requires us to think that it is constructed as something that is separated from the earthly environmental condition as the natural given. What is at stake here is the question of how we think of this nexus of separation and construction. It was Hannah Arendt who proclaimed that it would become the quintessential philosophical problem with regard to the human condition across the 20th century. Whereas Arendt herself conceives the separation from the planetary environmental sphere as being fundamental to the establishment of the modern mode of human existence and argues that it enables the sustainable and durable human public world, she also points out the dilemma that is intrinsic to the paradigm of value that supports the notion of separation. In the 21st century, we are confronted with the philosophical task of reexamining the human condition amid the destabilization of the planetary dimension. As we are newly required to reread the thought of Arendt in terms of the idea of habitability, we are compelled to be aware of the fact that what is at stake here is such a conundrum concerning the question of whether we can completely separate the human realm from the natural process and protect against it. In this class, we will consider the problem concerning the artificial character of the spatiality of the human condition and its relationship with the natural process by way of engagement with the texts of the current philosophical discussions and practices of architecture and contemporary art. |
||||||
(到達目標) | 人間存在の条件の人為性・自然との関係性に関する哲学的な考察をめぐる諸研究および実践を知り、その現代的意義を理解するとともに、各自の専門分野・研究課題との関連で自分の研究の発展につなげること。 The aim of this class is to learn various studies and practices concerning the flow of philosophical thought on such themes as the artificiality of the human condition and its relationship with natural processes and to understand their contemporary significance in order to connect them with the development of the student’s research program. |
||||||
(授業計画と内容) | 1.ガイダンス・公共空間の人為性、自然との関係について(第1週) 2.公共空間の人為性にまつわる困難についての哲学的考察(第2週〜第5週) (アーレントの議論の紹介、その批判的読解、現代的意義と限界の検証。) 3.公共空間の人為性・自然との関係に関する思想の現代的展開をめぐって(21世紀以後の「生存可能性」への問いとの関連で)(第6週〜第9週) 4.人間存在の空間性・人為性・自然との関係性をめぐる、思想と実践について(建築、現代美術との関連で)(第10週〜第14週) 5.これまでのまとめ(第15週) 1. Guidance, on the artificiality of the public space and its relationship with the natural process(first week) 2. Philosophical thought on the difficulty that is inherent to the artificiality of the public space (from second week to fifth week) 3. On the current trend concerning the theme such as he artificiality of the public space and its relationship with the natural process (in terms of the question concerning the habitability across the 21st century) (from sixth week to ninth week) 4. The movement of thought and practice concerning the theme such as the artificiality of the public space and its relationship with the natural process (with reference to the current trends of the architecture and contemporary art) (from 10th week to 14th week) 5. Conclusion (15th week) |
||||||
(履修要件) |
特になし
|
||||||
(成績評価の方法・観点及び達成度) | 出席と授業への参加状況(30%)とレポート試験(70%)で総合的に判断します。 With reference to the participation status in classes (30%) and report exam(70%) |
||||||
(教科書) |
授業中に指示する
|
||||||
(参考書等) |
授業中に紹介する
|
||||||
(授業外学習(予習・復習)等) | 予習は特に必要ないが、復習に関しては、配布物を読み直すこと。 Preparation is not necessary but I recommend students to reread the texts given during each class. |
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(その他(オフィスアワー等)) | |||||||
人文科学的空間論II
(科目名)
The humanities of space 2
(英 訳)
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(群) 院横断 (分野(分類)) 人文社会科学系 (使用言語) 日本語及び英語 | |||||||
(旧群) (単位数) 2 単位 (週コマ数) 1 コマ (授業形態) 講義 | |||||||
(開講年度・ 開講期) 2025・後期 (配当学年) 大学院生 (対象学生) 全学向 |
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(曜時限)
木4 (教室) 東一条館025講義室 |
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総合生存学館 の学生は、全学共通科目として履修できません。所属学部で履修登録してください。 | |||||||
(授業の概要・目的)
人間が存在するということの条件を「空間」として考えるとしたら、それを人為的構築物(human artifice)として、つまりは制作の産物として捉えることが求められる。人為的構築物であるということは、「自然」の所与として存在する地球的・環境的な条件から切り離され、それとは別のところにおいて構築されるということであるが、この切断・構築をいかにして考えるかが、20世紀以降の人間の条件に関わる哲学的な思考における重要課題であるということを指摘したのが、政治哲学者のアーレントであった。アーレント自身、地球的・環境的な領域からの切断を、近代的な人間存在の条件に不可欠なことと捉え、それを前提として、持続的に存続可能な人間の公共的世界が成り立つと述べたのであるが、他方で、その困難をも指摘していた。21世紀になって、地球環境の不安定化のなかで人間の条件を問い直すという哲学的な課題が出てくる中、アーレントの思考を「生存可能性」 habitabilityの観点から読み直すという試みにおいて問われるのも、まさにこの困難である。この授業では、人間存在の空間性の人為性・自然との関係性という主題をめぐって、現代の哲学的議論や建築・現代美術における議論を参照しつつ探究する。
If we consider the condition of human existence in terms of the conception of space, we need to comprehend it as the human artifice, that is, the product of human fabrication. Thinking of the human condition as the human artifice requires us to think that it is constructed as something that is separated from the earthly environmental condition as the natural given. What is at stake here is the question of how we think of this nexus of separation and construction. It was Hannah Arendt who proclaimed that it would become the quintessential philosophical problem with regard to the human condition across the 20th century. Whereas Arendt herself conceives the separation from the planetary environmental sphere as being fundamental to the establishment of the modern mode of human existence and argues that it enables the sustainable and durable human public world, she also points out the dilemma that is intrinsic to the paradigm of value that supports the notion of separation. In the 21st century, we are confronted with the philosophical task of reexamining the human condition amid the destabilization of the planetary dimension. As we are newly required to reread the thought of Arendt in terms of the idea of habitability, we are compelled to be aware of the fact that what is at stake here is such a conundrum concerning the question of whether we can completely separate the human realm from the natural process and protect against it. In this class, we will consider the problem concerning the artificial character of the spatiality of the human condition and its relationship with the natural process by way of engagement with the texts of the current philosophical discussions and practices of architecture and contemporary art. |
|||||||
(到達目標)
人間存在の条件の人為性・自然との関係性に関する哲学的な考察をめぐる諸研究および実践を知り、その現代的意義を理解するとともに、各自の専門分野・研究課題との関連で自分の研究の発展につなげること。
The aim of this class is to learn various studies and practices concerning the flow of philosophical thought on such themes as the artificiality of the human condition and its relationship with natural processes and to understand their contemporary significance in order to connect them with the development of the student’s research program. |
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(授業計画と内容)
1.ガイダンス・公共空間の人為性、自然との関係について(第1週) 2.公共空間の人為性にまつわる困難についての哲学的考察(第2週〜第5週) (アーレントの議論の紹介、その批判的読解、現代的意義と限界の検証。) 3.公共空間の人為性・自然との関係に関する思想の現代的展開をめぐって(21世紀以後の「生存可能性」への問いとの関連で)(第6週〜第9週) 4.人間存在の空間性・人為性・自然との関係性をめぐる、思想と実践について(建築、現代美術との関連で)(第10週〜第14週) 5.これまでのまとめ(第15週) 1. Guidance, on the artificiality of the public space and its relationship with the natural process(first week) 2. Philosophical thought on the difficulty that is inherent to the artificiality of the public space (from second week to fifth week) 3. On the current trend concerning the theme such as he artificiality of the public space and its relationship with the natural process (in terms of the question concerning the habitability across the 21st century) (from sixth week to ninth week) 4. The movement of thought and practice concerning the theme such as the artificiality of the public space and its relationship with the natural process (with reference to the current trends of the architecture and contemporary art) (from 10th week to 14th week) 5. Conclusion (15th week) |
|||||||
(履修要件)
特になし
|
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(成績評価の方法・観点及び達成度)
出席と授業への参加状況(30%)とレポート試験(70%)で総合的に判断します。
With reference to the participation status in classes (30%) and report exam(70%) |
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(教科書)
授業中に指示する
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(参考書等)
授業中に紹介する
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(授業外学習(予習・復習)等)
予習は特に必要ないが、復習に関しては、配布物を読み直すこと。
Preparation is not necessary but I recommend students to reread the texts given during each class. |
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(その他(オフィスアワー等))
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授業の進捗状況や受講生の習熟度などによって「授業計画と内容」,「成績評価の方法」が変更になる場合があります。
(科目名) |
開発経済学(政策と制度)
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(英 訳) | Development Economics (Policy and Institutions) | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
(担当教員) |
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(群) | 院横断 | ||||||
(分野(分類)) | 人文社会科学系 | ||||||
(使用言語) | 英語 | ||||||
(旧群) | |||||||
(単位数) | 2 単位 | ||||||
(週コマ数) | 1 コマ | ||||||
(授業形態) | 講義 | ||||||
(開講年度・開講期) | 2025・後期 | ||||||
(配当学年) | 大学院生 | ||||||
(対象学生) | 全学向 | ||||||
(曜時限) | 金2 |
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(教室) | 東一条館201大講義室 | ||||||
総合生存学館 の学生は、全学共通科目として履修できません。所属学部で履修登録してください。 | |||||||
(授業の概要・目的) | この授業の目的は、持続可能な開発やグリーン・エコノミーの視点から、従来の開発経済学を再考することである。従来の開発経済学は、経済成長や経済開発を重視し、その過程で生じる環境問題や社会経済格差の問題を、開発の次の段階で解決すべき課題として後回しにしてきた。しかし、持続可能な開発目標(SDGs)の達成が世界的に求められる現在、新興国や発展途上国における経済開発の促進だけでなく、環境問題や社会経済格差の解決も同時に進める必要がある。 また、本授業では、経済開発を支える政策や制度に対する従来の開発経済学の考え方を見直すことも重要なテーマとする。1990年代以降、多くの新興国や発展途上国で新自由主義的な政策や制度改革が実施されたが、多くのケースで期待された成果を上げることができなかった。一方で、中国の経済開発の成功をきっかけに、新自由主義とは異なる開発モデルを模索する国が増えている。今後、新興国や発展途上国において、どのような政策や制度が持続可能な経済発展につながるのか、受講生とともに議論しながら考えていきたい。 この授業は対話形式で行うため、受講生による積極的な授業参加が求められている。また、開発経済学や持続可能な開発の理論だけではなく、現実世界で起きている事象分析や実践的な解決策も取り上げる。 |
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(到達目標) | 1. 従来の開発経済学、および経済開発をもたらす政策や制度に対する従来の考え方を批判的に評価できる能力を習得できる。 2. 各受講生に一つの新興国または発展途上国を選んでもらい、その国における経済開発、政策や制度についてのケース・スタディーを作成したもらうために、受講生は様々な国における経済開発、政策や制度を比較する能力を習得できる。 3. この授業は英語で行うために、受講生は自身の英語コミュニケーション能力やディスカッション能力を向上させることができる。 |
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(授業計画と内容) | 1. イントロダクション 各受講生に自らのケース・スタディーの対象となる新興国または発展途上国を選んでもらう。 2. 開発、経済開発と持続可能な開発。国の開発水準の測定に使われる指標。先進国、新興国、及び発展途上国の比較 3. 国の経済開発成功の原因 -- 人的資本 (human capital)と人間開発指数 (HDI) 4. 国の経済開発成功の原因 -- 政策(産業政策を含む)や制度 5. 経済開発の成功事例と失敗事例(国のケース・スタディー) 6. 経済開発理論 I(Rosenstein-Rodan, Lewis, Rostowを中心に) 7. 経済開発理論 II (従属理論、新古典派経済学、新成長理論を中心に) 8. 受講生による中間発表 9. 新自由主義モデル(Washington Consensus)下の政策や制度 10. 中国の経済開発モデル下の政策や制度 11. 政治体制類型と経済開発 I(独裁や権威主義) 12. 政治体制類型と経済開発 II (民主主義) 13. 持続可能な開発、またはグリーン開発モデルとは何か 14. グリーンな産業政策について 15. 受講生による期末発表 |
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(履修要件) |
英語である程度コミュニケーションできる能力、及び英語で書かれた学術的な文書を読解する能力が必要である。なお、経済学の基礎知識がなくても履修は可能である。
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(成績評価の方法・観点及び達成度) | 以下の基準により成績評価を行う。 1. 授業参加*: 成績の50% * 授業参加の評価には、次の三つが含まれる。(1) 出席、 (2) 与えられた課題についての授業中の発表、(3) 授業中の討論への参加。 2. 期末レポート*: 成績の50% * 期末レポートの評価には、次の三つが含まれる。(1) 中間発表、(2) 期末発表、(3) 期末レポート (期末報告は、期末レポートのテーマについて学生が学期の最後の授業で口頭でプレゼンテーションを行うもの。その後、試験期間中に執筆した期末レポートを提出すること。) 詳細は初回授業で説明する。 |
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(教科書) |
『Economic Development (thirteenth edition)』
(Pearson, 2020. )
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(参考書等) |
『The Age of Sustainable Development』
(Columbia Univ. Press, 2015.)
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(関連URL) | https://www.gsais.kyoto-u.ac.jp/staff/inalnazof/ | ||||||
(授業外学習(予習・復習)等) | 授業前に予習すべき内容について説明する。 | ||||||
(その他(オフィスアワー等)) | 面談を希望する学生は、(1) 名前、学籍番号、所属、(2) 可能な面談日時(第3希望まで)を書いてメールをください。メールアドレスは以下の通りである。 ※オフィスアワーの詳細については、KULASISで確認してください。 |
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開発経済学(政策と制度)
(科目名)
Development Economics (Policy and Institutions)
(英 訳)
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(群) 院横断 (分野(分類)) 人文社会科学系 (使用言語) 英語 | |||||||
(旧群) (単位数) 2 単位 (週コマ数) 1 コマ (授業形態) 講義 | |||||||
(開講年度・ 開講期) 2025・後期 (配当学年) 大学院生 (対象学生) 全学向 |
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(曜時限)
金2 (教室) 東一条館201大講義室 |
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総合生存学館 の学生は、全学共通科目として履修できません。所属学部で履修登録してください。 | |||||||
(授業の概要・目的)
この授業の目的は、持続可能な開発やグリーン・エコノミーの視点から、従来の開発経済学を再考することである。従来の開発経済学は、経済成長や経済開発を重視し、その過程で生じる環境問題や社会経済格差の問題を、開発の次の段階で解決すべき課題として後回しにしてきた。しかし、持続可能な開発目標(SDGs)の達成が世界的に求められる現在、新興国や発展途上国における経済開発の促進だけでなく、環境問題や社会経済格差の解決も同時に進める必要がある。
また、本授業では、経済開発を支える政策や制度に対する従来の開発経済学の考え方を見直すことも重要なテーマとする。1990年代以降、多くの新興国や発展途上国で新自由主義的な政策や制度改革が実施されたが、多くのケースで期待された成果を上げることができなかった。一方で、中国の経済開発の成功をきっかけに、新自由主義とは異なる開発モデルを模索する国が増えている。今後、新興国や発展途上国において、どのような政策や制度が持続可能な経済発展につながるのか、受講生とともに議論しながら考えていきたい。 この授業は対話形式で行うため、受講生による積極的な授業参加が求められている。また、開発経済学や持続可能な開発の理論だけではなく、現実世界で起きている事象分析や実践的な解決策も取り上げる。 |
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(到達目標)
1. 従来の開発経済学、および経済開発をもたらす政策や制度に対する従来の考え方を批判的に評価できる能力を習得できる。
2. 各受講生に一つの新興国または発展途上国を選んでもらい、その国における経済開発、政策や制度についてのケース・スタディーを作成したもらうために、受講生は様々な国における経済開発、政策や制度を比較する能力を習得できる。 3. この授業は英語で行うために、受講生は自身の英語コミュニケーション能力やディスカッション能力を向上させることができる。 |
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(授業計画と内容)
1. イントロダクション 各受講生に自らのケース・スタディーの対象となる新興国または発展途上国を選んでもらう。 2. 開発、経済開発と持続可能な開発。国の開発水準の測定に使われる指標。先進国、新興国、及び発展途上国の比較 3. 国の経済開発成功の原因 -- 人的資本 (human capital)と人間開発指数 (HDI) 4. 国の経済開発成功の原因 -- 政策(産業政策を含む)や制度 5. 経済開発の成功事例と失敗事例(国のケース・スタディー) 6. 経済開発理論 I(Rosenstein-Rodan, Lewis, Rostowを中心に) 7. 経済開発理論 II (従属理論、新古典派経済学、新成長理論を中心に) 8. 受講生による中間発表 9. 新自由主義モデル(Washington Consensus)下の政策や制度 10. 中国の経済開発モデル下の政策や制度 11. 政治体制類型と経済開発 I(独裁や権威主義) 12. 政治体制類型と経済開発 II (民主主義) 13. 持続可能な開発、またはグリーン開発モデルとは何か 14. グリーンな産業政策について 15. 受講生による期末発表 |
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(履修要件)
英語である程度コミュニケーションできる能力、及び英語で書かれた学術的な文書を読解する能力が必要である。なお、経済学の基礎知識がなくても履修は可能である。
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(成績評価の方法・観点及び達成度)
以下の基準により成績評価を行う。
1. 授業参加*: 成績の50% * 授業参加の評価には、次の三つが含まれる。(1) 出席、 (2) 与えられた課題についての授業中の発表、(3) 授業中の討論への参加。 2. 期末レポート*: 成績の50% * 期末レポートの評価には、次の三つが含まれる。(1) 中間発表、(2) 期末発表、(3) 期末レポート (期末報告は、期末レポートのテーマについて学生が学期の最後の授業で口頭でプレゼンテーションを行うもの。その後、試験期間中に執筆した期末レポートを提出すること。) 詳細は初回授業で説明する。 |
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(教科書)
『Economic Development (thirteenth edition)』
(Pearson, 2020. )
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(参考書等)
『The Age of Sustainable Development』
(Columbia Univ. Press, 2015.)
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(授業外学習(予習・復習)等)
授業前に予習すべき内容について説明する。
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(その他(オフィスアワー等))
面談を希望する学生は、(1) 名前、学籍番号、所属、(2) 可能な面談日時(第3希望まで)を書いてメールをください。メールアドレスは以下の通りである。
※オフィスアワーの詳細については、KULASISで確認してください。 |
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