みなとの歴史と防災 2012年度

このゼミでは、平清盛が福原へ都を移した時に築かれた福原港を起源とする神戸港へ行きます。神戸港は阪神淡路大震災(1995年)によって壊滅的な被害を受けましたが、復興が進み、いまでも世界有数の貿易港として活躍しています。

震災時に破壊された岸壁のあとは、メモリアルとして保存されており、地震のすさまじさを見学することができます。メモリアルの周辺は、地震にも強い岸壁として再建されていますので、防災のために何をしていかなければならないかを勉強いたします。

人とみらい防災センターは、震災後に自然災害の学習および防災技術の研究の場として開設されました。ここでは、震災当時に破壊された商店街の様子が実物大模型で再現されていますので、大震災の危険性を体験することができます。また、高潮による浸水災害についても映像で学習します。

2日目の宇治川オープンラボラトリー見学では、防災研究の最先端に関する基礎的な講義を受けた後、模型実験で津波を起こして、海岸の建物への力の当たり方についての知識を学びます。宇治川オープンラボラトリ―周辺は、昭和30年代まで伏見港として使われていた水域です。当時の遺構(三栖の閘門)なども見学できます。

平石 哲也

防災研究所
流域災害研究センター 沿岸域土砂環境研究領域