遺伝子からみる野生動物 2013年度

セミナー風景
実験風景

野生動物の研究=野外観察、というイメージがあるかもしれません。このゼミは、それ以外の研究についても、知って体験しよう、というものです。動物の行動や生態を知りたいとき、動物自体を見るのが困難だったり、見かけと違う遺伝的・内分泌的背景があったり、など、遺伝子の解析が必要となる場合が多くあります。しかし、捕まえることが難しい野生動物から、どうやってDNAをとるのでしょう?ゲノム情報のほとんど無い動物では、遺伝子の解析はどうするのでしょう?このゼミでは「遺伝子から野生動物をみるってどういうことだろう?」の答えを一緒に探していきたいと思います。

研究室メンバーの研究紹介をきいたり、実際に遺伝子や細胞の実験に参加したり、を通して、野生動物研究センターの実験室で行っている研究の一端を体験します。海外からの留学生や研究者による英語での研究紹介もあります。この研究分野は、フィールドワークからラボワークまで、幅広い知識や技術を必要とすることから、多様な専門分野の研究者が集っています。そうした研究者と、異分野交流の勉強会やセミナーを開催しています。授業で情報をお知らせしますので、興味を持った人は参加することができます。全学共通の講義「野生動物研究のすすめ」も一緒にとると、内容がよくわかりますが、とっていなくても大丈夫です。

昨年は、こんな活動をしました。
○研究紹介:ガーナからの留学生によるガーナの齧歯類の研究、エジプトからの留学生によるハトの飛翔能力の研究、博士研究員によるイヌの社会行動の研究、博士研究員によるイカの社会行動の研究、など
○実験:DNA抽出と遺伝子型判定、など
○セミナー:野生動物研究センターで毎週行っているセミナーへの参加
任意で時間外の、異分野ゼミ、「遺伝子の窓から見た動物たち」研究会、DNA多型学会シンポジウム、などへの参加、発表
 
大学は、高校までの、どちらかというと受け身の学びかたと違い、幾通りもの学びかたを自分から選択できる場所です。ポケゼミでは、そのきっかけになるような情報や活動を提供できたらと願っています。受講生の皆さんからの提案や希望にもできるだけ応えます。積極的な参加を期待します。

研究室ホームページ
http://www.wrc.kyoto-u.ac.jp/~mmurayama/miho.htmlIcon new window

村山 美穂

野生動物研究センター
教授
兵庫県出身
京都大学霊長類研究所でサルの父子判定で学位を取得後、社団法人畜産技術協会附属動物遺伝研究所でウシの肉質、岐阜大学でウズラの羽毛色やイヌの性格に影響する遺伝子を研究。2008年より、野生動物研究センターで、ツシマヤマネコ、イヌワシ、ゴリラ、カメ、イルカ、イカなど、様々な動物の遺伝子や細胞の研究を行っている。