物質・材料科学最先端:ナノテクノロジーとそれを支える物質科学 2013年度

 本ポケットゼミは、化学研究所(宇治キャンパス)で主に無機物質・固体材料を中心にナノサイエンス・ナノテクノロジーの最先端研究に取り組んでいる教員によるオムニバス形式のゼミです。
 近年、様々な物質合成手法や材料評価手法が確立され、「ナノ」スケールの領域を制御する物質・材料科学が著しい進展を見せています。実際、現在の科学技術において「ナノサイエンス・ナノテクノロジー」は非常に重要な位置を占めるようになってきており、多くの科学技術・産業技術の基盤を形成するに至っています。今の我々の快適で便利な生活も、ナノサイエンス・ナノテクノロジーによる高度情報化技術に支えられているのです。そして、このような物質・材料科学の領域では、今でも新規な物質や未知の現象が次々を見出され、将来に向けてまだまだ進歩発展しているのです。
 本ゼミでは、物質・材料を合成・評価するための基礎を学びながら、「ナノサイエンス・ナノテクノロジー」の最先端研究に触れ、実際に実験装置を使っての研究を体験してもらいます。一番のポイントは、実際に研究が進められている最先端領域で、その研究に用いる実験設備に触れて、研究をしている先生や学生から直接に話を聞くことができることです。毎年の受講生のアンケートでも、「これまでに見たことのない装置を使った研究に触れた感動」が多く寄せられています。また、「将来の進路を考えるきっかけになった」というコメントもありました。
 将来の科学技術を支えていく新入生の皆さんに、是非、物質・材料科学における最先端研究の面白さと奥深さを感じ取ってもらいたいと思います。特別な予備知識は必要ありません。好奇心があれば十分です。

島川 祐一 他

担当代表者:島川 祐一
化学研究所、附属元素科学国際研究センター 教授