エンジニアリングセンスを磨く 2013年度

見学会
見学会
工作の時間

【まずは自分の頭で考えよう】
 エンジニアリングセンスは技術者が身につけるべきものですが、実は技術者以外でも重要なものです。洞察力、推察力、創造性、企画力、判断力、応用力、先進性、バランス感覚、美意識、経済感覚、独創性、探求心、リスク管理能力、説明能力など、どれをとっても簡単には身につくものではありませんが、磨けば学習・仕事の能力は向上し、個人の生活も豊かになるはずです。しかし、教えられて身につくものではありません。普段から好奇心・疑問を持ち、自分の頭で考えて判断することから始めなければなりません。
 このゼミでは、ものの見方の多様性、考えるヒント、普段の心構えなどを示し、学生自らが考えて行くきっかけとしたいと考えています。

【身の回りの疑問から議論しよう】
 ゼミという授業形式は、多分高校ではあまり行われないと思います。毎回テーマを決め、参加する学生自身が疑問や事例を持ち寄り、それについて議論をします。最初はとまどいがちですが、だんだんと議論が弾んできます。テーマは「周りをよく見よう」、「失敗から学ぼう」、「常識を働かそう」、「疑問を感じよう」などです。いろんなテーマが出てきます。単純なものから難しいものまで、楽しいものから深刻なものまで、さまざまです。例えば「普通の鉛筆は六角形なのに、色鉛筆はなぜ丸い?」。ちゃんと工学的な理由があります。

【実物を見てみよう、手を動かしてみよう】
 実物を見ることも、とても重要なことだと思います。5月末の土曜日午後を使って、見学会も行っています。みんな、結構、感激しています。手を動かすことも重要です。2回分は「工作の時間」です。単純に指示通り作るのではなく、頭で考えたことを形にし、イメージと実際の違いを認識し、失敗と試行錯誤の重要性を感じてもらいます。
 理系の学生だけでなく、文系の学生の受講者もいます。2008年から開講していますが、私自身も授業を楽しんでいます。

河野 広隆 他

【河野 広隆 プロフィール】
所属,職名:経営管理大学院(工学研究科 都市社会工学専攻:併任)教授
生年:1954
出身地:福岡県
専門分野:インフラの維持管理、コンクリート工学
趣味:周りを見ながら歩くこと