空を観る・海を観る 2013年度

潮岬風力実験所での現地観測について説明を聞いているところです.写真右側に見えるタワーは観測用で高さ25mあります.
観測船で田辺湾に出て,水温・塩分の計測をしているところで,まさに計測器を沈めようとしているところです.どのような結果が出たのでしょうか?
本州最南端の潮岬での一枚です.潮岬風力実験所は写真の場所からすぐ近くにあります.

地球上のエネルギーの源は,はるか太陽からの放射です.このエネルギーは大気を素通りして,地面や海面にもたらされます.そのエネルギーが,熱や水蒸気の形で再び大気に戻されることにより,大気の温度が保たれ,高気圧や低気圧,台風,竜巻,集中豪雨などの大気現象を引き起こします.

上記のような大気現象の結果として,空から雨が降り,水たまりが川になり,海に流れていきます.その途中で,水は蒸発し,水蒸気となって上昇し,また雲ができます.こんな,地球の上の水の循環を現場で直に調べてみましょう.このゼミでは,紀伊半島の南の白浜と潮岬にある京都大学の施設で,気象観測,海洋観測をします.白浜では,船で移動しながら,海の中の温度,塩分の濃度を測ります.潮岬では,地上や海面近くの大気を,精密な風速計や温度計を用いて測定するラジオゾンデといわれる測器を用いて,高い空の大気の状態を測ります.これらの観測から何がわかるのでしょうか?いろいろな,大気と海洋のシステムを学ぶとともに,実際の観測を通して,大気と海洋の息づかいを感じてみましょう.

【実習概要】
例年9月上旬頃に,3~4日程度の日程で,白浜・潮岬での実習を行います(実習日程については,ガイダンス時に日程調整します).2012年度は天候にも恵まれて,川も含めた実習を行う事ができました.現地での実習,観測は当日の気象・海象条件に左右されますので,常に予定通りとはいきませんが,その辺りの難しさも含めて体験してもらえればと思っています.

2012年度の実習内容
初日:
宇治から白浜へ移動
富田川の上流から下流まで「川を観る」※

二日目:
観測船で田辺湾に出て水温・塩分濃度の観測実習で「海を観る」
白浜から潮岬へ移動

三日目:
高層気象観測(ラジオゾンデ)の様子を見学
潮岬風力実験所で,大気乱流の観測実習で「空を観る」

※2013年度については未確定

担当教員

防災研究所

馬場康之 流域災害研究センター 白浜海象観測所
林 泰一 流域災害研究センター 潮岬風力実験所
水谷英朗 流域災害研究センター 白浜海象観測所