コンピュータと知能 2013年度

 まず、私についてですが、例年第一回目のゼミにおいて「松山先生とはどんな人間かを調べてみよう!」という課題を出して、二回目でその結果を報告してもらい、WEBには載っていない情報を提供しています。これは、講義担当の先生の人物像を知ることは、「講義を10倍楽しむ方法」だと思っているからです。
 私の年代の人は、コンピュータの初期から現在までの情報通信技術の発展とともに人生を過ごして来ていて、コンピュータの歴史は人生そのもののように思っています。ちなみに、以前は自分でコンピュータを設計、製作したり、新しいプログラミング言語を自分で作ったりしましたが、個人的には(今の)コンピュータは嫌いです。
 ゼミでは、学生の皆さんが、「自分もコンピュータを作ることができる!」という気持ちになってもらうことを第一の目標に、コンピュータの仕組みについて、実験(というより実演で、電池も抵抗も配線も何も使いません)を交えて説明をします。これまで殆どの学生さんに、「できる気がする」と言ってもらっています。今年もその気になってもらうよう頑張ります。
 「コンピュータってこんなもの、こんな仕組みで動くんだ」という理解をもってもらった後に、いよいよ「知能とは何か」についての自由討論に進みます。その中では、人間の持つ知的能力を挙げ、それらをコンピュータを使って実現する方法について、具体的な問題を考えて行きます。こうした議論によって、「人工知能」という学問領域に関する理解を持ってもらうと同時に、人間とは何なのかについても考えてもらっています。ただ、「知能とは何か」「人間とは何か」といった哲学的大問題が、半年足らずで議論できることはなく、to be continuedで終わります。
 講義ではないので、事前知識としては、小中学校の理科、算数で十分ですし、理系と文系を交えた議論をするのが目的なので、文系学部の学生ができるだけ沢山参加してくれることを望んでいます。(ところで、「理系」、「文系」の違いは何なのでしょうか?)

松山 隆司

工学部 電気電子工学科
情報学研究科 知能情報学専攻
 教授