植物は何を食べているか?-キウリの水耕栽培をしてみよう- 2013年度

植物の栄養はなにか? それがわたしたち植物栄養学研究室(←そのままのネーミング!!)の研究テーマです。植物は葉気孔から二酸化炭素、土壌から根を通して水分とミネラルを吸収し、太陽光エネルギーによってこれら二酸化炭素、アンモニウムイオン、硝酸イオン、硫酸イオンなどの無機物から糖、タンパク質、脂質、ビタミンなどの有機物を作り出します。わたしたち人間の存在は植物の有機物を合成する能力に負っています。

植物は土壌から14種類のミネラル元素を化合物やイオンの形で吸収します。実際にキウリの水栽培を行ってみましょう。写真は以前にポケゼミを担当したときの、キウリ収穫時の様子です。栄養素を上手に与えると水耕栽培でも大きなキウリを収穫することができます。露地で栽培するキウリと食べくらべをしてみるのもよいでしょう。

しかし、もしもこの14の元素のひとつでも不足すると、植物はちゃんと生育することができません。写真はマグネシウムが不足しているキウリの様子です。マグネシウムはクロロフィル(葉緑素)を構成する金属ですからマグネシウムが不足すると葉緑素が出来なくなって葉が白くなります(観葉植物では遺伝的に葉緑素が抜けて「斑入り」になっています)。カルシウムが不足する時、カリウムが不足する時、鉄が不足する時、それぞれに特徴的な欠乏症が現れます。

また、植栄研は京野菜生産農家の方に指導していただいて、農学部圃場で京野菜栽培にも挑戦しています。放課後はそちらのお手伝いにも参加してください。このポケゼミには化学や生物の知識は要りません。植物を栽培してみたい方、京野菜栽培に挑戦してみたい方の参加を待っています。

間藤 徹(まとうとおる)

農学研究科植物栄養学研究室 教授
アラ還3月31日生
広島県修道高校卒業
趣味:車バイク、写真、野球、料理