刑事手続の基礎 2014年度

【授業の概要・目的】
 我が国においては平成21年5月から裁判員制度が導入され,一般国民が刑事裁判に関与することとなった。大学生も,衆議院議員の選挙権を取得する年齢(20歳)に到達すると,同時に裁判員に選任される可能性が生じる。
 裁判員になるためには特別な知識,経験は不要であるとしても,刑事裁判に関する基礎的な知識があると,裁判員として事件に関与する負担感が減少するとともに,訴訟関係人の言動に関する理解も容易になろう。そもそも良き社会人としては,いわば常識として,ある程度このような知識を備えている必要があるともいえる。
 そこで,この授業では,我が国において現に発生している犯罪の実情を知り,それらの犯罪を捜査して犯人を起訴し,刑罰を科する手続の概略を学ぶとともに,犯罪者の処遇のあり方等についても関心を深めることを通じて,裁判員制度を含む刑事手続の全体像に関する基礎的知識を得ることを目標とする。

【授業計画と内容】
毎回、学生自身が報道等で目にした刑事裁判に関する最新の話題を報告、討論するとともに、教員から以下のような課題について、1課題あたり1~2週の講義をする予定である。
1.我が国における刑事事件の概況
2.刑事裁判制度
3.犯罪捜査
4.起訴・不起訴
5.刑事裁判における基本原則
6.証拠裁判主義
7.事実の認定方法
8.犯罪被害者
9.裁判員制度
10.犯罪者の処遇

若原 正樹