変動するアジア太平洋を読み解く ゼロから始める学術調査 2014年度

中国聖者廟
タイチェンマイドーイステープ山
マレーシア
仏領ポリネシア・ルルツ島 生魚サラダ

【授業の概要】
 講師のそれぞれの学術調査地域、専門分野に基づき、日常生活の身近な現象から世界各地の現況まで、人類学、言語学、宗教学、歴史、人文地理学、思想史、科学社会学など多角的視点から考察することを目指す。
 言語学ベースの調査、人類学ベースの調査、文献研究をベースとした調査の方法論・技法を概説、それらの調査を通じて何が分かり、どのような他の学術領域との融合が可能か探求する。授業では、写真資料、映像資料、音声資料、現地社会の経済活動の一つとなっているモノや生産物の実物を提示し、議論の題材とする。
 授業で主に取り扱う地域は、東南アジアおよびアジア内陸部諸国のイスラーム圏、インドネシア、マレーシア、中国、台湾、タヒチ、イースター島、ポリネシア、メラネシア、ミクロネシア、マダガスカルの予定。

※特に予備知識は必要としないが、普段あまりなじみのない国や地域及び少数民族を取り扱うことが多いため、地図帳を持参するか、事前に地球儀をよく見ておくことをお勧めする。

【受講者に求める事、履修の条件】
・原則としてすべての授業に参加すること
・専攻、専門分野、予備知識は問わない
・少人数制のため、受講生がより主体的に授業に参加(意見、感想、コメント)することが望ましい。
・講義ではなく双方向コミュケーション形式の授業である。

【授業計画と内容】
大まかな流れは以下の通り。括弧内は授業内容の主担当教員
・オリエンテーション2回 「アジア太平洋を読み解く」(王、西本、加藤、中西)
 (講師の研究紹介および授業の方針、発表方法・評価方法の説明)
・受講生の興味関心項目等、受講生の自己紹介(王、西本、加藤、中西)
・移民とコミュニティ-東南アジア地域を中心に(王)
・食と健康(王)
・イスラームの多様性(中西)
・中国の民族問題(中西)
・東南アジアにおける環境開発(加藤)
・熱帯雨林と狩猟採集民(加藤)
・言語でみる人の移動(台湾、タヒチ、マダガスカル、イースター島)(西本)
・メラネシア、ポリネシア、ミクロネシアにおける数の概念(西本)
・受講生の発表と議論、評価1(王、西本、加藤、中西)
・受講生の発表と議論、評価2、総まとめ(王、西本、加藤、中西)
★最後の回の総まとめでは、受講生の発表終了後、講師の学術調査地の名産物や世界の食(調理方法など)を紹介しながら、授業で学んだことについて、皆で感想・意見交換を行う。世界の食以外に、講師それぞれのフィールドワークの衣装、雑貨、モノなどを紹介する。

【成績評価の方法・基準】
・最後の2週で一人15分~20分ほどの発表を行ってもらう。
・発表内容に関しては、受講生が興味関心のある項目、もしくはこの授業をうけて、受講生が興味関心を持った項目を自由に調べてもらう。
・発表の学術的完成度よりも、どれだけ主体的に調べ、自ら問題を発見し、自分の頭で考察したかを評価の基準とする。

西本 希呼 他

【西本 希呼 (NISHIMOTO Noa) プロフィール】
白眉センター/東南アジア研究所、特定助教
生年:1981年
専門分野・関心領域:言語学、数概念、生物多様性vs.言語多様性、島嶼国研究
趣味:クラッシック音楽全般、水泳、植物・魚類観察、島めぐり、料理
 
【加藤 裕美 (KATO Yumi) プロフィール】
白眉センター/東南アジア研究所、特定助教
生年:1980年
専門分野・関心領域:文化人類学、環境人類学、少数民族、先住民族、狩猟採集民
趣味:カフェめぐり、料理、フットサル、スポーツ観戦

【王 柳蘭 (WANG Liulan) プロフィール】
白眉センター、特定准教授
生年: 1971年11月11日
専門分野・関心領域: 地域研究、文化人類学、東南・東アジアをつなぐ
移民(タイ、中国、台湾、日本)、多文化共生とその現実とのギャップ
趣味:子供と一緒に遊ぶこと、アロマ

【中西 竜也(NAKANISHI Tatsuya) プロフィール】
白眉センター/人文科学研究所、特定助教
生年:1976年
専門分野・関心領域:歴史学(とくに東洋史学)
趣味:読書、映画鑑賞