山地流域で学ぶ自然環境のしくみと防災 2014年度

【授業の概要・目的】
 自然は我々に恵みを与えるだけでなく,時として甚大な災害をもたらします.したがって,環境と防災についてバランスの取れた知識と考え方を持つことが大切です.このような学習は机上ではなく,フィールドにおいて,自然現象や人為的改変の現実と向き合いながら行うことが重要です.この講義は,防災研究所穂高砂防観測所(岐阜県高山市)のある奥飛騨の自然豊かな山岳地域で,自然環境のしくみ,自然災害の恐ろしさ,防災や自然回復への取り組みを肌で感じながら学ぶことを目的とします.

【授業計画と内容】
1日目
 穂高砂防観測所(岐阜県高山市奥飛騨温泉郷中尾)に15時ごろ集合
 講義内容のガイダンス

2日目
 山地地域の地形,地質,水・土砂動態,自然災害について,講義と現地実習を行い,とくに水や土砂から見た自然環境のしくみとその中で起こる自然災害について学ぶ.

3日目
 山地地域の渓流に暮らす生物の調査を行い,渓流生態系のしくみについて学び,その中で水や土砂がどのような役割を演じているのかを探る.

4日目
 山地流域で行われている防災施設を現地調査し,災害から身を守るための知恵,土砂をコントロールするしくみ,環境に調和した防災の考え方,自然回復の試みなどについて学ぶ.

5日目
 全体的な討論,レポート作成
 12時解散

実施日は8月6日から31日の間で5日間設定します.5月か6月にガイダンスを行い,日程の最終調整を行います.基本的に交通費は受講生の負担.宿泊は観測所の施設を利用(無料).

堤 大三 他