iPS細胞入門 2014年度

　2012年のノーベル医学生理学賞に輝いたiPS細胞の発明。新聞やニュースでも良く耳にし、再生医療への応用も期待されているが、そもそもiPS細胞とはどんな細胞なのだろうか？「幹細胞」や「多能性」をキーワードに、iPS細胞が登場するまでの歴史的背景にも触れつつ、iPS細胞研究の基礎を学ぶ。

　ポケットゼミの参加者には、iPS細胞を中心としてどのような研究が行われているのか、自分自身が興味を持った内容について調査し、その結果について発表してもらうことを予定している。研究成果は通常、英語の国際雑誌に論文として発表されているが、論文にはどのような事が書かれているのか？iPS細胞の代表的な原著論文を皆で輪読し、その内容や実験手法について概説する。(英和辞書持参のこと。)

　さらに、iPS細胞は万能細胞と呼ばれることもあるが、決して何でも出来る細胞ではない。では何が出来て、何が出来ないのか？iPS細胞技術の課題や問題点を話し合う。最後に、iPS細胞研究所で行われている最先端の研究についても紹介し、iPS細胞研究の今後の展開について議論して行きたい。

　このポケットゼミを通じて、iPS細胞への理解を深めるとともに、実験結果や技術的課題について考察・議論し、自分の考えやアイデアを発表するという研究の基本プロセスに触れてもらうことで、研究の面白味を少しでも感じてもらえれば幸いである。