アタマとカラダうまくつながっていますか? 2011年度

 アタマとカラダはどのようにつながっているのでしょうか。解剖学、生理学、脳科学、神経医学など多くの学問の成果からその仕組みが明らかにされてきております。私たちの手法は研究室で行う解析とは異なり、フィールドを中心としたアプローチでこの課題に挑んでおります。

>例えば荒神橋の上から北を向いて鴨川を眺めることを想像してみてください。<

さあどんな場面が想像できましたでしょうか?左側に京都府立医大病院、正面に鴨川の源流の山々、右側には比叡山、川横の歩道には散歩している人、座ってお弁当を食べている人、跳び石には渡ろうとしている子供がいるかもしれません。

>さてここで鴨川の中にシラサギが舞い降りました。<

ここで思い浮かべた風景は先ほどと比べていかがでしょうか?府立医大も比叡山も子供達も消えてしまいませんでしたか?
私たちのアタマの中には注意配分機能があり、何かに集中する際には他の感覚を閉ざす機能があります。先ほどの想像の際に、皆さんは目を閉じたり、周りの音が聞こえにくくなった方もおられると思います。これらの現象は生理的なものですが、次々と注意配分を変えていかなければいけない局面でこの変換がうまくいかなかったらどうなるでしょう。交差点の真ん中で止まってしまう、誰かと話していて看板にぶつかってしまうということが起きるのではないでしょうか。これらの二つ以上の課題をほぼ同時に遂行する機能を二重課題処理能力(dual task)と呼びますが、この機能低下が、最近増えている高齢者の転倒と関係していることがわかってきました。
 本ポケゼミではフィールドでの検証を中心に、皆さんの周囲に存在する二重課題処理の実例とそれをどのように役立てていくかを皆で考えてみましょう。

青山 朋樹(准教授)(写真:左)
1970年生まれ
出身地:長野県安曇野市(旧南安曇郡三郷村)
専門分野:整形外科学、リハビリテーション医学、再生医学
趣味:盆栽、庭いじり
座右の銘:攻めのdefense

山田 実(助教)(写真:右)
1980年生まれ
出身地:兵庫県姫路市
専門分野:リハビリテーション、老年医学
趣味:子育て、散歩
座右の銘:七転び八起き

いずれも医学研究科人間健康科学系専攻。