木本植物を分析しよう! 2011年度

 木本植物には、皆さんがご存知のように、針葉樹と広葉樹があります。両者は、葉の形状などで分類されていますが、化学成分の観点から見ると、両者には大きな差があります。本ポケゼミでは、木本植物の幹の皮を除いた部分(いわゆる“木材”のこと)の化学成分について、その分析実験を行い、針葉樹と広葉樹の化学成分の相違について探ってもらいます。

 木材は、主に、セルロース、ヘミセルロース、リグニンと呼ばれる3成分から構成されています。(残念ながら、高校の化学の教科書には、セルロースしか載っていませんが・・)これらの3成分のうち、セルロース、ヘミセルロースは多糖類、リグニンは芳香族化合物に分類され、分析方法が異なります。具体的な実験としては、①セルロース、ヘミセルロースの含有率測定、②セルロース、ヘミセルロースの構造分析、③リグニンの含有率測定、④リグニンの構造分析を予定しており、①、③の含有率測定の実験は、ガラス器具のみを使用して行う分析実験、②、④の構造分析の実験は、最新の化学分析機器(写真参照)も使用して行う精密分析実験です。これらの分析方法は、実際の研究現場で木本植物の分析に用いられている方法であり、大学の化学の研究現場の一端を体験できていただけたらと思います。

 なお、簡単なミニ講義を、実験の待ち時間などを利用して行いますので、特段の予備知識などは必要ありません。

高野 俊幸(教授)
出身地:福岡県
専門分野:生物材料化学
趣味:旅行

上高 原浩(助教)
出身地:神奈川県
専門分野:生物材料化学
趣味:クラリネット演奏

※いずれも農学研究科 森林科学専攻。