魚類心理学入門 2011年度

【過去の「魚類心理学」ポケゼミの風景から】
講義はjPodにて和やかな雰囲気で進められる.
フィールド実習中の朝食.
舞鶴市三浜の漁協施設「ととのいえ」にてウェットスーツに着替える.
こんな砂浜でも,カレイやヒラメの稚魚が採集できる.
タコを観察するポケゼミ生.
スーパーの鮮魚コーナーを見学する.この写真と次の写真の年度は,山下洋教授のポケゼミと合同で実習を行った.
京都府漁連のセリ場にて.この日はカタクチイワシが大漁であった.

 2004年度に「海辺から学ぶフィールド科学」の名で開講した本ポケゼミは,翌年に現在の科目名に改称し,ほぼ毎年開講している.
 募集定員10名に対し,開講日に2名しか登録学生のいなかった年もあれば,応募者多数で抽選となった年もある.
 北部構内農学部グラウンド前のjPodという木造の建物で,4月から6月にかけて以下の内容で6回にわたり講義し,そのあと7月初旬に京都府北部の舞鶴でフィールド実習を行っている.

第1回 研究の道具としてのスキューバ潜水
第2回 群れ行動の発達心理学
第3回 魚類心理学を栽培漁業に活かす
第4回 魚の行動から海の資源の未来を読む
第5回 回遊魚の行動学
第6回 研究というゲームの楽しみ方

 毎回の講義のあとはフリーディスカッションを行い,さらに簡単なレポートを書いてもらい,このレポートをもとに次回の講義を組み立てるという構成をとっている.
 最終回には「プレゼンテーションの奥義」というコーナーも設け,講師が一番最近に行った学会発表を例に,口頭発表やポスター発表の技術について語ることにしている.

 実習では,舞鶴の海水浴場で稚魚採集用の網を曵いてサンプリングを行う.またシュノーケリングによる水中観察を行い,砂地にいるカレイやヒラメ,岩場のメバル,ハゼ類,ウミウシ類などを観察する.網による採集とシュノーケリングによる観察とで,出現する生物が非常に異なることを体感してもらいたい.

 講義では,食品に関する話題がほぼ毎回登場する.地産地消や食の安全の話などもしている手前,実習中の食事は皆で自炊することになる.最終日には,西舞鶴の京都府漁連のセリを見学する.

益田 玲爾

フィールド科学教育研究センター舞鶴水産実験所准教授
専門は魚類心理学.
著書に『魚の心をさぐる』がある.
趣味は,潜水,テニス,料理(特にイタリアン),外国語など.最近はフルマラソンを走り,凡庸なタイムで完走する.