地盤の科学入門 2015年度

【授業の概要・目的】
 社会環境の基礎として,人類の生活を足下で支えているのは,土や岩等でできている地盤である。本ゼミナールでは,地盤の成り立ちや物理・工学的な諸特性などの基礎的事項から,海上埋立空港の建設,地震時の地盤の液状化,豪雨時の地すべりや堤防破壊などの地盤災害・防災問題,地下水を取り巻く地盤環境問題,メタンハイドレートなどの地盤深部に眠る次世代エネルギー開発,歴史的地盤構造物の修復と保全のほか,土でできた農業水利施設の挙動、土の内部侵食まで幅広く取り上げ,地盤の科学が関わる諸問題について考える。

【授業計画と内容】
以下の課題について、それぞれ1~2週の授業をする予定である。

1.オリエンテーション
2.粒状材料の特性(粒粒からなる物質の基本的性質)
3.地震時の地盤の液状化現象(液状化簡易実験を体験)
4.河川堤防にまつわる都市防災問題(豪雨・地震災害について)
5.地盤環境問題(地下水、地盤沈下、廃棄物処分・リサイクル、土壌汚染など)
6.メタンハイドレートなどの次世代エネルギー開発
7.海上埋立空港の建設と沈下管理
8.歴史的地盤構造物の修復と保全
9.土でできた農業水利施設の挙動を予測する
10.土の内部侵食のメカニズムを知る
※フィードバック方法は別途連絡します

各回のゼミナールでは,適宜,実際の地盤材料を用いてデモンストレーション実験等を積極的に行い,視覚的,体験的,直感的に各現象を理解できるように工夫する。また,夏休み等を利用して現場見学等も行う予定である(成績評価には含みません。日程等は講義時にお知らせします。)。

講義場所は吉田キャンパス土木工学教室本館113号室、北部構内農学部総合館南棟1F東側S170室、桂キャンパスC1棟を予定しています。
初回の講義は工学部3号館W1講義室で行います。

三村 衛 他