環境の評価 2015年度

<檜皮の森>
平成20年に文化庁から「ふるさと文化財の森」に指定されました。
<ヒノキ人工林>
檜皮の森に指定された人工林です。
<徳山試験入口>
JR徳山(新幹線も止まります)から車で20分程度

【授業内容】
 このポケット・ゼミは、まず、5月から7月にかけて教室で8回の討論形式の授業を行った後、8月に1泊2日の合宿を行います。合宿では、自然と人間の関係に関わる森林を視察したあと、各自が新聞記事などをもとに環境評価に関する発表をして、レポートを完成します。

○「環境を評価する」とは?
 教室でのゼミでは、人が事物を認識し「評価」することの意味の確認から、環境の評価が環境の価値判断となり、人の環境への態度・行動につながるという因果関係について議論します。環境を評価することの意味は、人によってかなり異なる意見を持っていて、理解することは簡単なことではありません。また、そもそも、環境に価値=「値段」をつけることに関して、真剣に議論することはほとんどなかったと思います。ゼミでは、そんな基本的なところから議論を始めたいと思います。

○ 自分の考え方を見つめる
 環境を評価しようとするとき、人間を中心に考えるのか、自然を中心に考えるのかで評価の結果は大きく異なります。皆さんは、自分のものの考え方が人間中心主義的か、非人間中心主義的か考えたことがあるでしょうか。たぶん、ほとんどないと思います。環境を評価する際の自分の観点を意識し、他の学生の意見も聞くうちに自分の考えを見つめ直すことができます。このポケゼミを受講して、自分が環境に対して、あるいは他者に対して、どのような関係性で物事を考えているか、じっくり考えてみませんか。

○ 合宿で考える環境の価値
 レポートは、環境に関する新聞等の記事を自ら選び、そこに含まれる「環境評価」の文脈の抽出と解説が課題となっています。そのレポートの内容を合宿形式(8月中旬、1泊2日の予定)で披露し議論することにしています。昨年度までの合宿は、フィールド科学教育研究センターの芦生研究林で行ってきましたが、平成27年度は、徳山試験地で実施したいと考えています。徳山試験地は、文化庁の「ふるさと文化財の森」に指定されており、檜皮を採取するためのヒノキ人工林があります。合宿では、「檜皮の森」をはじめとする徳山試験地の森林を見学し、森の価値について現場で考えます。発表会では、環境に関する記事をもとに各自がまとめた内容について討論し、最終レポートを作成します。

 なお、平成26年度の様子は、下記URLで紹介しています。
 URL:http://fserc.kyoto-u.ac.jp/wp/blog/archives/15634Icon new window

吉岡 崇仁

所  属:フィールド科学教育研究センター
職  名:教授
専門分野:生物地球化学
著  書:「森里海連環学」(2006/京都大学フィールド科学教育研究センター編/京都大学学術出版会)、「環境意識調査法 ?環境シナリオと人々の選好?」(2009/吉岡崇仁編著/勁草書房)、「川と湖を見る・知る・探る 陸水学入門」(2011/日本陸水学会編/村上哲生・花里孝幸・吉岡崇仁・森和紀・小倉紀雄監修/地人書館)、「森と海をむすぶ川」(2012/フィールド科学教育研究センター編/京都大学学術出版会)
自己紹介ホームページ:http://fserc.kyoto-u.ac.jp/wp/staff/yoshiokaIcon new window
          :http://www.forestinfo.kais.kyoto-u.ac.jp/member/yoshioka_JP.htmlIcon new window