ごみ問題と3R・循環型社会形成 2015年度

これまでに取り上げたテーマの例1:廃自動車のリサイクル(当研究室が行った解体調査の様子)
これまでに取り上げたテーマの例2:災害廃棄物への対応(東日本大震災での調査・支援現場)
世界とつながる資源フローの例(アジア・環太平洋を中心としたカドミウムのフロー)

◆知られざる「ごみ」の素顔に迫る
 「ごみ」は、世界中の人間、誰もが出して生きていると言っても過言ではないでしょう。しかし、我々は、どれだけ、「ごみ」のことを知っているでしょう?

1日どれくらいの量を出している?
その中身はどんなもの?
歴史的に見た量や質の変化は?
今、ごみについて、何が問題になっている?
減らすためにできることは?

 このゼミでは、ごみ(廃棄物)や廃棄物問題を科学的に捉えると同時に、その解決に向けた「3R」(リデュース・リユース・リサイクル)の考え方、それらを通じて実現しようとする「循環型社会」に関して、知見を深めることを目的とします。
 ごみの種類や問題も多様ですが、テーマに応じて、当研究室で調査・研究している最先端の知見を活用することもあります。

◆「循環」を基本とした都市や社会へ。そして、世界の「資源効率」の向上をめざして
 循環型社会の形成は、世界の環境や資源の持続性から考えて、温暖化・気候変動対策とともに、21世紀の一大テーマとなりつつあります。特に途上国では、人口増加や消費生活の変化に、ごみ処理が追い付かず、様々な問題を引き起こしています。日本などの先進国においては、処理システムが構築され、リサイクルも進んできていますが、大量生産・大量消費・大量廃棄の社会構造からの脱却を、2R(リデュース・リユース)をキーワードに進めるという大きな社会転換が求められています。
 循環型社会が求められる背景としての廃棄物問題の現状を知り、循環型社会への処方箋を考えることは、持続可能な社会構築に向けた必須事項と言えるでしょう。

◆「ごみ」や「物質循環」の科学や政策へ
 本ゼミでは、基礎的な学びの後、さまざまなリサイクル技術や廃棄物処理方法について調査し、循環型社会形成に向けた視点からの考察を加えることとします。なお、今後の環境問題や廃棄物問題の世界の動向を理解する入口として、極力、英文に触れることのできる教材を選択する予定です。

当研究室と京都市とで35年間続けている「家庭ごみ細組成調査」での集合写真

酒井 伸一 他

環境安全保健機構附属環境科学センターの教員3名が担当し、研究室に所属する学生(工学部地球工学科及び工学研究科都市環境工学専攻が中心)がサポートにあたります。パソコンやソフト等の利用から文献検索、発表資料作成の方法までを学ぶ場としても活用して頂けます。

教 授 酒井 伸一
准教授 平井 康宏
助 教 浅利 美鈴

環境安全保健機構附属環境科学センターのHP:http://eprc.kyoto-u.ac.jp/ja/Icon new window
当センターが運営する京大環境サイト:http://www.eco.kyoto-u.ac.jp/Icon new window