アフリカの自然保護を考える 2015年度

東アフリカの「主食」ウガリ作りに挑戦(「アフリカ食文化実習」での一コマ、2013年ゼミ)

 雄大な景観や多様な野生動物に代表されるアフリカの自然について、一緒に考えてみましょう。京都大学は探検大学ともいわれ、現地での長期滞在に基づいた重厚なフィールドワークが特徴です。このゼミでは、フィールドワーク経験豊富な、大学院アジア・アフリカ地域研究研究科アフリカ地域研究専攻のスタッフによる最新の研究成果などを題材に、自然保護活動の動向や、人々の暮らしとの両立について学びます。また、それらを通じて、現代アフリカの社会、文化に関する知識も深めます。

 残念ながら、毎週一コマのポケットゼミの枠では、アフリカに行って現場の雰囲気に直接触れることはできません。本ゼミでは、例えば前年度は、「京都市動物園実習」、「日本新薬株式会山科植物資料館実習」で京都でアフリカ由来の動植物に親しみ、「アフリカ食文化実習」でアフリカ料理を通じた自然資源利用を体験し、「糺の森実習」で市民レベルの森林保全に触れる体験をすることで、アフリカでのフィールドワークの雰囲気を感じてもらいました。とくに一番人気の調理実習では、アフリカ人留学生らの手も借り、本格的なアフリカ料理に挑戦して、もちろんしっかり味わってもらいました。

 このような実習や、アフリカ研究に関するさまざまな映像資料に触れることで、アフリカの自然保護活動が抱える諸問題について討論し、基礎的な知識を身につけます。さらに、日本国内の類似の事例も参照しながら、地域に固有な問題として自然保護問題を理解します。また、フィールドワーク経験者から現地の様子を聞き、受講者各自が興味を持った地域や生態系、トピックについて調べていき、その過程で、総合的な研究アプローチであるフィールドワークの考え方や面白さを学びます。頭と体を動かしながら、アフリカの自然・社会・文化の相互関係の理解を深め、訪れる人を虜にするアフリカの魅力を実感することができたら合格です。

担当教員HP
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/member/yamakoshi.htmlIcon new window

山越 言

大学院アジア・アフリカ地域研究研究科/准教授
1969年 長野県生まれ
専門分野: アフリカ地域研究、霊長類学、人類進化論、動物生態学、環境社会学